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悪人でさえ和するのに、なぜ賢者が争うのか


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📜 引用原文

第一四章 憎しみ 六
「骨を断ち命を奪い、牛・馬・財宝を略奪し、国土をも掠め取る者どもにさえも協和がある。
それなのに、この理法を理解している汝らにどうして協和が無いのだろうか。」
— 『ダンマパダ』


🔍 逐語訳

骨を砕き、命を奪い、
牛や馬、財宝や国土をも略奪するような者たちでさえ、
(目的のために)互いに協力し、協調している。
それなのに――
真理(ダルマ)を理解しているはずのあなたがたは、
なぜ協和できないのだろうか?


🧩 用語解説

  • 骨を断ち命を奪う者:暴力・戦争・殺戮に関わる者、道義に反する集団。
  • 牛・馬・財宝・国土:物質的な利益・富・権力の象徴。
  • 協和(和合):利害を超えて目的のために協力すること。特に仏教では「六和敬」として僧団の基本原理とされる。
  • 理法(ダルマ):仏教の真理・教え・道徳的な秩序。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

骨を砕き命を奪い、物を奪って生きるような者たちですら、
自らの目的のために一致団結し、仲間同士で協力している。
それなのに、仏の教え(ダルマ)を理解し、
正しい生き方を学んでいるはずのあなたがたが、
なぜ争い、分裂し、和を保てないのか?
――この問いは、まさに痛烈な自己反省を促す警句である。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、**「理念のある者こそ、理念をもって和すべきである」**という強い戒めです。

たとえ略奪者でさえ、自分たちの目的のためには連帯し団結する。
それに比べて、仏法を知り、正義を語る者たちが
なぜ分裂し、争うのか――それは大いなる矛盾だと仏陀は指摘しています。

この教えは、**「善を語る者が、善を実行しているか?」**という
厳しい内省を私たちに促します。
真理を知っていることと、それを実行していることは、別なのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での活用例
理念と行動の乖離ミッションやビジョンを語っているのに、社内では派閥争いや分断が起きている――その矛盾を直視すること。
リーダーシップ高い理想や正義を掲げるほど、それにふさわしい協調と器の広さが求められる。
組織文化共通のゴールがあれば、たとえ手段や考え方が異なっても和合は可能。目先の違いより本質で繋がる姿勢が重要。
対外関係競合ですら提携や協業を図る中、内部での分断は致命的。価値観の共有と対話がカギとなる。

🧭 心得まとめ

「理念があるなら、理念のもとに手を取り合え」
「分断することは、無知より愚かである」

この句は、私たちに問います――
「本当に大切なことは何か?」「そのために、誰と協力すべきか?」を。

略奪者ですら団結する。
ならば、善を学び、真理を知る者が争っていてはならない。
志ある者こそ、違いを超えてつながる努力をすべきである――
それがこの一句の核心です。

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