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支えるべき柱を守れ、それが全体を守る道となる

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■心得タイトル

「支えるべき柱を守れ、それが全体を守る道となる」


■引用原文(日本語訳)

「そこであなた方はすべて、あらゆる行動において、各部署を固め、まさにビーシュマを守れ。」
―『バガヴァッド・ギーター』第1章 第11節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 「ゆえに、汝らすべての者たちは、
  • あらゆる局面において部隊の陣形を整え、
  • 偉大なるビーシュマを守るのだ。」

■用語解説

  • あなた方すべて:カウラヴァ軍のすべての将兵に向けた命令であり、全軍一丸の行動を求めている。
  • あらゆる行動において:戦術的なすべての動き、戦場でのすべての判断と配置を含意する。
  • 各部署を固め:軍のそれぞれのポジションや陣形を堅固にし、混乱を防ぎ統制を維持せよとの意味。
  • ビーシュマを守れ:軍の精神的・戦略的支柱であるビーシュマの安全と位置を絶対的に確保せよという指示。

■全体の現代語訳(まとめ)

ドゥルヨーダナは、軍全体に対して「各自が持ち場を堅め、あらゆる局面でビーシュマを守る」よう命じる。これは、ビーシュマという象徴的存在を守ることが、軍全体の秩序・士気・戦略の要であると理解しているからである。中心を守ることで、全体が保たれるというリーダーの戦術的判断がここに示されている。


■解釈と現代的意義

この節は、軍全体が「個人の英雄」を頼るだけでなく、その支柱を守ることに責任を持つべきだという教訓を含んでいます。ビーシュマは精神的支えであり、軍の象徴的存在。その存在が崩れれば、士気も戦線も一気に崩れることになる。だからこそ、リーダーは組織の「中核となる価値・存在」を全員で支えねばならないのです。

これは、現代の組織や企業においても同じです。理念・信頼・キーパーソンなど「崩れてはならないもの」を全員で支える意識こそが、全体の安定と発展をもたらします。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
中核人材の保護創業者やキーパーソンが安全に活躍できるよう、全員で支援する体制を整える。
組織の価値・信念を守る理念やミッションといった「組織の中心軸」を崩さず、各部門がその維持に責任を持つ。
チームの統制維持各部署が自律的に機能し、指揮系統を守ることで、全体の動きが安定する。
危機管理と守備戦略外的リスクが迫るときほど、最も重要な資源・人物・拠点を守る戦略が重要になる。

■心得まとめ

「守るべき核を見失うな。そこにこそ、すべての力が集まる」
組織には守るべき「柱」がある。それは人物かもしれないし、理念かもしれない。いかなる局面でも、その中心を守る意識を全員が持つとき、全体は崩れない。戦とは、攻めるだけでなく、何を守るかを明確にすることでもあるのだ。

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