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執着なき者に道は問えぬ


目次

📜 原文(第55節)

世の人々を誘うために網のようにからみつき
執著をなす妄執は、かれには存在しない。
ブッダの境地は、ひろくて涯しがない。
足跡をもたないかれを、いかなる道によって誘い得るであろうか?


🔍 用語解説

表現解説
網のようにからみつき執著をなす妄執感覚欲・名声・評価など、人を「執らせ、縛る」迷いの因子のこと。網は執着の比喩。
ブッダの境地一切の煩悩・妄執を超えた心の状態。空(くう)・無相・無執などの特徴を持つ。
足跡をもたない世間的な行動の痕跡や、模倣すべき「型」がない。完全な自由と独自性の象徴。
誘い得る道他者が影響を与える手段。ここでは、「制御」「誘導」が不可能であることを意味する。

🧠 解釈と現代的意義

この節は、「完全に自由な存在(ブッダ)には、もはや執着も影響力も及ばない」という深い真理を示します。

ブッダには「他者をコントロールするための執着」がなく、
誰からも「誘導される隙」がない。

それはつまり、**「自由な者は誰にも操れない」**という姿であり、
あらゆる外因・情報・欲望から離れた「究極の独立性」を体現していると言えます。


💼 ビジネスへの応用と視点

観点応用と実践
リーダーの境地他人の評価や期待に左右されず、自分の軸で判断できることが「強さ」。
マーケティングにおける脱・煽動性煽るのではなく、顧客に「手放す自由」や「執着からの解放」を提供できるかが新しい価値。
働き方の価値観転換競争や成果主義から一歩引いた地点に、真の創造性と柔軟性がある。
自己理解の深化誰かに「褒められたい」「認められたい」と思っているうちは、まだ自分の足で立っていない。

✅ 心得まとめ

「自由な者には、道も枠もない」

網のような欲望にからまぬ者は、
人をも支配せず、支配されもしない。

世が定めた道も、
誰かの足跡も、
その人には必要ない。

なぜなら――
境地は空にして涯しなく、
その歩みには痕跡が残らないからだ。

操ることも、導くこともできぬほど自由な人。
それこそが、真に尊い「しっかりした人」である。

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