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迷いなき者は、山のように不動である


目次

📜引用原文(日本語訳)

一三*
風が吹いても岩山が動揺しないように、修行僧は、迷妄が滅びてなくなるから、岩山のようにゆるがない。
― 『ダンマパダ』 第二章 第十三偈


🔍逐語訳(文ごとの意訳)

  • 風が吹いても岩山が動揺しないように:嵐のような外部刺激にもびくともしない堅固な岩山のように、
  • 修行僧は:精神修行によって心を鍛えた者は、
  • 迷妄が滅びてなくなるから:無知・錯覚・妄念(無明)を完全に克服したがゆえに、
  • 岩山のようにゆるがない:あらゆる状況に対して不動の姿勢を保てる。

📚用語解説

用語解説
迷妄(無明/むみょう)仏教における三毒(貪・瞋・痴)のうち「痴(ち)」にあたるもので、真理に対する無知・迷い。存在の根本的な誤解。
岩山強固・不動・揺るがぬ精神を象徴する仏教的比喩。
ゆるがない煩悩や環境に反応せず、心が中心にとどまり続ける状態。悟りの前段階またはそれに近い境地。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

どれほど強い風にもびくともしない岩山のように、
真理を悟って迷いを克服した修行者の心は、外の出来事や思考の混乱に動じることはない。
それは、真理を見抜いた智慧の力による、完全な安定である。


🧠解釈と現代的意義

この偈は、「真理を見抜いた者は動じない」ということを教えています。
人は怒りや欲望だけでなく、「誤解・思い込み・無知=迷妄」によっても心を乱されます。
しかし、それを乗り越えて物事の本質を見通す智慧を得た人は、もはや何ものにも動じません。

現代においても、情報過多や認知バイアスにより、私たちはしばしば「迷い」によって判断を誤ります。
この偈は、「知識ではなく智慧(洞察)こそが、心を揺るがぬものにする」と説いています。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
本質思考と洞察力表面的なノイズに惑わされず、物事の本質を見抜く力が、変化に動じない戦略的思考を生む。
フェイクや錯誤への耐性誤報や流行に踊らされず、正確な情報と経験から冷静に判断する力が重要。
意思決定の安定性自分の判断軸(真理)を明確に持つことで、周囲の意見や空気に左右されずに決断ができる。
リーダーの精神的成熟組織が混乱する場面でも、冷静に状況を見極め、揺るがずに導く力が、尊敬されるリーダーの要件。

✅心得まとめ

「欲も怒りも迷いも去れば、人は岩となる」

怒りや欲望に振り回されず、さらに「迷い」さえも超えたとき、
人の心はまるで岩山のように、静かにして揺るがぬものとなる。
現代を生きる私たちもまた、「情報」や「常識」に翻弄されず、
本質を見抜く智慧と静けさを養うべきである。

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