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苦しみの根を断ち、欲にとらわれぬ者こそ真の解脱者


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第27偈)

すでにこの世において、
自らの苦しみの滅びを明らかに知り、
情欲から離れ、
何ものにもとらわれぬ者――

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
――『ダンマパダ』第33章 第27偈


🔍 逐語訳(意訳)

この世に生きながら、
苦しみの根本(執着や無明)が滅したことをはっきりと自覚し、
欲望や情欲を手放し、
何ものにも「これは私のもの」ととらわれることがない人――
その人こそが、仏陀のいう〈バラモン〉、すなわち真の解脱者である。


🧘‍♂️ 用語解説

  • この世において(イダム・ロケ):現実世界に生きながらという意味。死後ではなく、現世での悟りを強調。
  • 苦しみの滅び(ドゥッカ・ニローダ):四聖諦の「滅諦」にあたる。苦しみが生まれる因果構造を断つこと。
  • 情欲(ラーガ):感覚的欲望、貪りの心。煩悩の中でも最も根深いもの。
  • とらわれ(ウパーダーナ):対象や観念を「自分のもの」「これは善/悪」ととらえる心の働き。束縛の根源。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

この世界において、
自らの苦しみの原因が断ち切られたことを悟り、
欲望や執着から離れ、
どんなものにも「これは自分のもの」としがみつかない――
そうした人は、仏陀によって真の〈バラモン〉=解脱した人間と認められる。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、**「知識」ではなく「自覚と実践」による自由」**を重視しています。
単に「欲望はいけない」と知ることでは足りず、実際にそれを手放し、執着から自由になっていることが肝要です。

現代においても、人間の多くの苦しみは「得られないこと」よりも「得たいという渇望」から生じています。
仏陀はその根を断ち切り、「何も欲しない、何にも縛られない」心のあり方を〈バラモン〉として讃えます。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
執着の手放し売上・評価・立場に執着しすぎると、判断が鈍る。欲に振り回されずに冷静な意思決定ができる人が信頼される。
現世での完成「いずれ幸せになる」「成功したら満たされる」と先延ばしにせず、今この瞬間で心の自由を確立することが成熟。
自己観察と気づき苦しみの原因を他人や環境に求めず、自分の内面にある「渇望」「比較心」に気づき、そこから自由になる姿勢が重要。
価値判断の超越物質・名声・勝ち負けへのこだわりから離れ、目的と本質に集中できる人が、静かに成果を出し続ける。

💡 感興のことば:心得まとめ

「苦しみは、欲する心から生まれ、欲なき心に終わる」

欲を満たすことで幸せになるのではなく、
欲そのものから自由になることで心は静まる。

その境地に達した人を、仏陀は〈バラモン〉と呼び、
現世における悟りの象徴として讃えました。


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