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弓が折れてからでは、的は射られぬ


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📜引用原文(日本語訳)

若い時に、財を獲ることなく、清らかな行ないをまもらないならば、
壊れた弓のようによこたわる。昔のことばかり思い出してかこちながら。
(ダンマパダ 第十一章「老いること」第156節)


🔍逐語訳

  • 若い時に、財を獲ることなく
     → 若いうちに必要な力(知識・経験・資源)を備えなかったならば、
  • 清らかな行ないをまもらないならば
     → 道徳や品性に反する生き方をしていたならば、
  • 壊れた弓のようによこたわる。
     → もはや役に立たない、使い物にならない存在として横たわる。
  • 昔のことばかり思い出してかこちながら。
     → 若き日の栄光や機会を懐かしみながら、今の無力さを嘆くばかりとなる。

🧾用語解説

  • 壊れた弓:使い道を失った老いた肉体や能力の比喩。現役を退いた者の無力さ。
  • かこち(託ち)ながら:「嘆きながら」「愚痴をこぼしながら」の意味。後悔と自己憐憫。
  • 昔のことばかり思い出す:過去の機会や選択を悔い、いまや変えられない現実に取り残される心の状態。

💬全体の現代語訳(まとめ)

若い頃に努力せず、財や徳を蓄えなかった者は、
老いて力を失ったとき、まるで折れた弓のように、
横たわるだけの存在となってしまう。

そして、かつての栄光やチャンスを思い返しては、
「あの時こうしていれば」と後悔に沈み、
何もできずに嘆く日々を過ごすことになる。


🧠解釈と現代的意義

この詩句は、「人生を悔いなく生きよ」という強いメッセージを含んでいます。
老いてから「やっておけばよかった」と嘆いても、弓が折れていては的を射ることはできません。

人生には「備えるべき時」「学ぶべき時」があり、それを逃すと、
いくら後悔しても失われた力は戻ってこないのです。
それゆえ、若き今、行動・学び・徳の実践が問われているのです。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
若手の意識づけ若いうちにスキルと人格を磨かないと、将来の選択肢が狭まり、後悔するキャリアになる。
自己投資の優先一時的な快楽に流されず、読書・実務経験・倫理観の形成などに意識的に取り組むことが、後の力になる。
機会の逃し「あの時チャレンジしていれば」と後で悔やまぬよう、チャンスを前にした時の決断力が問われる。
リーダーシップの教訓年長者として、後輩に「後悔するな」という教訓を語るだけでなく、自身も学び続ける姿勢を持ちたい。

📝心得まとめ

「折れた弓は、もはや矢を放たない」

若き日の怠慢は、老いてからの嘆きとなる。
その時、あなたは過去の栄光を懐かしむしかなくなるだろう。

だが、今この時に学び、備え、徳を育てていれば――
老いてなお、心には力が宿る

だからこそ、
「未来に後悔しない今を生きる」ことが、
最も実践的な智慧なのである。


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