目次
🔖 原文(日本語訳)
「福徳を積んだ人に対しては、
悪魔の身をとった神々も、
他から害をなすことも、障りをなすこともできないであろう。」
――『ダンマパダ』第1章「双句品」第12偈
📝 逐語訳
- 福徳を積んだ人:善行・誠実・慈悲を日々実践し、内面の功徳を深めた者。
- 悪魔の身をとった神々も:一見神聖な存在に見えても、心が邪悪である存在(偽善や誘惑の象徴)。
- 害をなすことも、障りをなすこともできない:直接的な攻撃も、妨げも、その人には通じない。
🧩 用語解説
用語 | 意味 |
---|---|
福徳(プンニャ) | 慈悲、誠実、施し、自己抑制などの積み重ねによって得られる、霊的・道徳的エネルギー。 |
悪魔の身をとった神々 | 善なる姿を装いながら、実は人を迷わせようとする存在。比喩的には誘惑・欺瞞・虚偽などを指す。 |
害・障り | 精神的な揺さぶり、信念の破壊、道から逸れさせる行為。 |
🌐 全体の現代語訳(まとめ)
日々善を積み、福徳に満ちた人は、たとえ神の姿を借りた悪しき存在でさえ、その人を害することも妨げることもできない。積まれた善行は、最強の防護壁となり、心と人生を守る力を持つ。
💡 解釈と現代的意義
この章句は、外的な脅威よりも、内なる徳が最大の防御であることを教えています。
現代社会においても、誘惑・虚栄・不正・圧力といった「外からの干渉」は常に存在します。しかし、誠実・親切・思いやりといった日々の善行を積んだ人は、周囲に左右されず、確固たる信念と心の平安を持ち続けられるのです。
この「福徳の守り」は、法律やルール以上に強く、人を自然と高め、守り、導いてくれます。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈・適用例 |
---|---|
企業信頼 | 誠実な企業は、風評・攻撃・競合の悪意にさらされても、顧客や社会の信頼によって守られる。 |
倫理経営 | 社内外の圧力や不正の誘いがあっても、日々の倫理的判断と実践が防御力となる。 |
個人の信頼資本 | 誠実で公正な姿勢は、妬みや中傷からも自然に守られる盾となる。 |
リーダーの徳性 | 徳を積んだリーダーは、どんな混乱や圧力の中でも人々の信頼によって支えられる。 |
✅ 心得まとめ
「福徳を積む者に、邪な力は届かない。」
真の守りとは、外から与えられるものではなく、内から築き上げるものです。
善を積むことで得られる信頼・尊敬・平安は、どんな敵にも打ち破れない堅固な防御となります。
それは無言の威厳であり、動じない強さの源です。
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