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人は節目を重ねて、自在へと近づく

人の成熟には段階がある。
若くして志を立て、三十にして土台を築き、四十で迷いが消える。そして五十にして、自分の道が「天命」であったと気づくようになる。
六十になれば人の言葉に柔らかく耳を傾け、七十に至っては、自分の望みに従って行動しても、節度を失うことはなくなる。
このように、年齢を重ねるごとに心が整い、自在な境地に至るのが、理想の人生の歩みである。

「吾(われ)十有五(じゅうゆうご)にして学(がく)に志(こころざ)し、三十(さんじゅう)にして立(た)ち、四十(しじゅう)にして惑(まど)わず、五十(ごじゅう)にして天命(てんめい)を知(し)り、六十(ろくじゅう)にして耳(みみ)順(したが)い、七十(しちじゅう)にして心(こころ)の欲(ほっ)する所(ところ)に従(したが)って矩(のり)を踰(こ)えず」

歳を重ねるとは、ただ老いることではない。志を養い、迷いを減らし、節を守って心を自由にする道のりである。


※注:

  • 「志」…学問や人生の目標への決意。
  • 「立つ」…自立し、自分の道を確立すること。
  • 「惑わず」…判断に迷わなくなる状態。
  • 「天命」…天から与えられた使命・人生の意味。
  • 「耳順う」…反発せず、素直に話を受け入れるようになること。
  • 「矩」…道徳的な規範、節度。
  • 「踰える」…越える、踏み外す。
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