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心静かに集中すれば、魂は至高へと導かれる


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「臨終の時、不動の意と、信愛と、ヨーガの力をそなえ、気息を正しく眉間に注いで、その人はかの神聖なる最高のプルシャに到達する。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第10節


■逐語訳

「死の瞬間、心を動かさず(集中し)、信愛の心を持ち、
ヨーガ(修行)によって鍛えられた力と共に、
生命の息を正しく眉間に注ぐ者――
その人は、まさに神聖なる至高のプルシャに達する。」


■用語解説

  • 不動の意(アチャラ・マーナサ)
     揺るがない心。外界に乱されることのない集中状態。
  • 信愛(バクティヤー)
     愛と信頼を込めた心で神を思うこと。ギーターの核心的概念の一つ。
  • ヨーガの力(ヨーガ・バラー)
     精神と肉体を統合し、コントロールする修練によって得られる内なる力。集中力・平常心・呼吸の制御など。
  • 眉間に注ぐ(ブフル・マッディエ・プラーナム・アーヴェーシャ)
     呼吸(生命エネルギー)を眉間(アージュニャー・チャクラ=第三の目)に集中させることで、意識を高次へ導く行法。死の瞬間にそれを行えば解脱が可能とされる。
  • 神聖なる最高のプルシャ(ディヴィャム・プルシャム・パラム)
     至高の人格神。宇宙の根本原理であり、神そのもの。

■全体の現代語訳(まとめ)

死の瞬間に、心が一点に定まり、神への深い信愛を保ち、
ヨーガによって得た集中と呼吸の制御をもって意識を高めることができれば――
その人の魂は、まさに至高の神の境地に至る。
これは死に際しての精神状態の完成形を描いたものである。


■解釈と現代的意義

この節は、「どのように死ぬか」という問いを通して、「どのように生きるか」という道を示している。
死に際して、心を乱さず、信仰を持ち、整った意識で呼吸を導ける――
それは、生きている間に心と身体を整え続けてきた者にしかできないことである。

つまり、これは「死のヨーガ」であると同時に、「生のヨーガ」の完成でもある。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
平常心と集中緊急時・重大な局面でこそ、心の平静と集中力が問われる。日々の精神鍛錬がその時に活きる。
理念への信愛会社・仕事・志に対する“信愛”がある人は、逆境でも心がぶれない。
呼吸と意識の管理プレゼンや交渉の場面で、呼吸と意識をコントロールできる者は、周囲に安心感と説得力を与える。

■心得まとめ

「最期に到達する場所は、日々の意識が導く場所である」

死の瞬間に心を整え、神を念じ、集中することができれば、魂は至高の存在に至る――
これは比喩としても重要である。
どんな大事な局面でも、自分を整え、理想を見失わずに向き合う者は、必ず望む場所に至る。
ビジネスにおいても、プレッシャーの中でこそ真価が問われる。
その時に力を発揮できるのは、信念・修練・集中を日々積み重ねた者である。


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