君主の悪行を助長することは大きな罪である
孟子は言った。
「君主の悪行をいさめることなく、それを助長するのは臣下としての罪であるが、その罪はまだ小さい。しかし、君主の悪意をそそのかし、悪行を導き出すことは、非常に大きな罪である。今の大夫たちは皆、君主の悪行を助けている。だから、今の大夫は、今の諸侯に対する罪人であるべきだ。」
孟子は、**「君主の悪を増長させることは罪が小さいが、その悪をさらに助長し、引き出すことは罪が大きい」**と強調しています。
つまり、大夫たちが君主の悪行を助けることによって、結果的に彼らが犯す罪は深刻であるという警告です。
原文と読み下し
長君之惡、其罪小、逢君之惡、其罪大、今之大夫、皆逢君之惡、故曰、今之大夫、今之諸侯之罪人也。
孟子(もうし)は曰(いわ)く、「君(きみ)の悪を長ずるは、其(その)罪小なり。君の悪を逢うるは、其の罪大なり。今(いま)の大夫(だいふ)は、皆君の悪を逢う。故に曰く、今の大夫は、今の諸侯の罪人なり。」
※注:
- 長ずる(ちょうずる):悪行を助長する、増長させること。
- 逢う(おう):悪行に加担する、悪を受け入れるという意味。
- 大夫(だいふ):政府や貴族の高官、君主の側近。
パーマリンク案(英語スラッグ)
the-sin-of-enabling-tyranny
(暴政を助長する罪)complicity-in-ruling-evil
(悪行に加担する支配者たち)culpable-advisors
(責任ある助言者たち)
この章では、君主の悪を助長し、結果的にその悪行を引き出すことが、どれほど重大な罪であるかを孟子が警告しています。
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