目次
◆第4章 第28節による心得
●原文引用
「他の修行者たちは、強固な信念をもって、財物を祭祀とし、苦行を祭祀とし、〔その他の行為の〕ヨーガを祭祀とし、学習と知識とを祭祀とする。」(第4章 第28節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「他の修行者たちは、強固な信念をもって」
→ 他の実践者たちは、揺るぎない信念と覚悟に基づいて―― - 「財物を祭祀とし」
→ 財産・富を施すことを神聖な捧げものと見なし―― - 「苦行を祭祀とし」
→ 精神や肉体の試練を神への奉納として行い―― - 「〔その他の行為の〕ヨーガを祭祀とし」
→ あらゆる日々の行為を霊的な修行ととらえて捧げ―― - 「学習と知識とを祭祀とする」
→ 学びと悟りそのものを、供物として神に捧げる。
●用語解説
- 強固な信念(dr̥ḍha-vratāḥ):揺るがぬ決意、精神的な覚悟。
- 財物の祭祀(dravyayajña):施し、寄付、他者への支援を神聖な行為として行う。
- 苦行(tapas):自己訓練・禁欲などの努力を通じた浄化行為。
- ヨーガ(yoga-yajña):実践・瞑想・行動すべてを統一し、祭祀(供物)とみなす観。
- 学習と知識(svādhyāya-jñāna):聖典学習とそれに基づく霊的知識。
●全体の現代語訳(まとめ)
他の修行者たちは、確固たる信念を持ち、富を与えること、自己を鍛えること、日々の実践すべて、そして学びと理解そのものを、神に捧げる神聖な祭祀と見なしている。
●解釈と現代的意義
この節は「何を捧げるか」が人によって異なってよいことを説いています。重要なのは、「それをどのような精神で行っているか」です。富を持つ者はそれを捧げ、学びたい者は知識を捧げ、すべての行動を神聖視できる心の在り方こそがヨーガです。多様な人生のスタイルや背景を肯定しながら、内面の動機を問う教えです。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
経営資源の使い方 | 財産・時間・努力・知識、それぞれを「誰かのため」に差し出せるかが問われる。 |
行為の精神性 | 日常の業務すべてを「意義ある祭祀」とみなす心構えが、仕事に魂を吹き込む。 |
多様性の尊重 | それぞれが自分の持つ強みを生かして貢献する道があり、正解は一つではない。 |
●ビジネス用の心得タイトル
「己の資源を捧げる人こそ、働きの聖者である」
(――財・力・知・心を、それぞれのかたちで捧げよ)
コメント