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心を浄めることこそ、行いの根本である


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■引用原文(日本語訳)

第二八章 悪一
すべて悪しきことをなさず、善いことを行ない、自己の心を浄めること、これが仏の教えである。
―『ダンマパダ』第183偈(通称「悪一」)


■逐語訳

  • すべて悪しきことをなさず:一切の悪行を避けること。身・口・意による悪を断つ。
  • 善いことを行ない:他者のため、自分のためになる善行を積極的に行うこと。
  • 自己の心を浄めること:煩悩や執着、怒り・貪り・無知といった心の汚れを取り除く内面修養。
  • これが仏の教えである:この三つが仏陀の教えの根幹であると強調している。

■用語解説

  • 悪(あく):仏教における「悪」は単なる道徳的な悪ではなく、苦しみを生む原因となる行為(殺生、偸盗、妄語など)を含む。
  • 善(ぜん):慈悲・喜捨・誠実・忍耐など、人間を清め、他者にも利益をもたらす行為。
  • 心の浄化:外面の行為ではなく、内面的な態度や動機を純化すること。これは最終的な悟りや涅槃に通じる。
  • 仏の教え(仏陀の教え):仏陀は弟子たちに、修行や哲学を超えた「実践的三本柱(悪をなさず、善をなせ、心を浄めよ)」を説いた。

■全体の現代語訳(まとめ)

仏陀の教えの核心とは、単純明快である。「悪いことをしないこと」「善いことを積極的にすること」、そして「心を磨き清めること」。この三つを日常の実践として徹底することが、仏道のすべてである。


■解釈と現代的意義

この節は、「行動」「価値観」「内面」の三位一体による自己成長の道を示しています。
悪を避け、善を選び、さらに心の内側まで省みるというこの教えは、表面的な道徳ではなく、根源的な変容を目指すものです。
これは現代人にとっても、混沌とした情報社会やストレス社会において「軸を取り戻す」ための普遍的原理です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点現代ビジネスへの応用
倫理観法に触れなければよいという基準ではなく、関係者にとっての「悪影響を避ける」という広い意味での倫理性が求められる。
価値創造善いこととは、利益だけでなく社会貢献や社員育成など、長期的・多面的な価値創出を含む。
自己修養常に反省し、怒りや不安に流されず、心の在り方を整えることで、安定した判断力と人間的魅力を備えたリーダーとなる。

■心得まとめ

「善悪を超えて、まず己を浄めよ」
仏陀の教えは、ただ道徳的に振る舞えというものではない。
行動の善悪を超えて、私たちはその根底にある「心の動き」こそを問われている。
――結果に一喜一憂する前に、自分の内面を見つめ、日々を静かに整えること。
それが、信頼と成長を生むビジネスパーソンの原点である。


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