目次
📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第49偈)
一切の束縛の絆を超え、
驚き怖れることが無く、
執著なく、
よく行きし人、覚った人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- すべての束縛や絆(欲・怒・無知・執着など)を乗り越え、
- 何ものにも怯えず、心が動揺することがなく、
- あらゆる執著を断ち、
- 真理にかなった行いを成し、
- 悟りに達した人――
そのような者を仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
束縛の絆(サンヨーガ) | 輪廻を引き起こす因である、欲・貪り・怒り・無明などの精神的執着。 |
驚き怖れることが無い | 不安・恐怖・不確実性に支配されない、安定した心の境地。 |
執著なく | 所有・結果・感情・自己などへのとらわれを断った状態。 |
覚った人(ブッダ) | 目覚めた人。真理に到達し、苦を滅した者。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
この世の一切の束縛(欲望・怒り・無知)を超え、
何ものにも怯えることなく、心静かに、
あらゆる執着を捨てて、
正しい道を歩み、悟りに達した人――
その人こそ、仏陀が〈バラモン〉と称える者である。
🧭 解釈と現代的意義
この偈は、精神的自由の完成形を描いています。
人はさまざまな「縛り(期待・不安・所有欲・対人関係)」の中で生きています。
それに加えて、未来への「恐れ」や、「あれも必要、これも捨てられない」という執着が、心を疲弊させます。
しかし、真に覚った人は、それらの内的束縛をすべて越え、静かに、恐れずに生きる。
その姿にこそ、私たちは自由と解放の理想像を見いだせるのです。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
内的自立と冷静さ | 変化や困難に動じず、恐れず、自らの信念と判断軸で行動するリーダー。 |
脱執着の意思決定 | 損得や感情にとらわれず、「本当に善き判断とは何か」を見極められる。 |
持続する実行力 | 一貫した姿勢で、自らが正しいと信じる道を淡々と歩み続ける人。 |
精神的レジリエンス | 非難・賞賛・失敗・成功といった揺れに左右されない内なる安定。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「恐れも執着も超えて、なお歩む人」
縛られず、
怯えず、
とらわれず――それでも、歩みを止めずに
静かに、正しく、生き抜く者。その背にこそ、自由の風が吹いている。
コメント