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■引用原文（日本語訳）
神的な資質は解脱をもたらし、阿修羅的な資質は束縛をもたらすとされる。アルジュナよ、嘆くことはない。あなたは神的な資質に生まれた。
（『バガヴァッド・ギーター』第16章 第5節）
■逐語訳（一文ずつ）
- 神的な資質（ダイヴィ・サンパット）は、魂を解放（モークシャ）へ導く。
- 阿修羅的な資質（アースリ・サンパット）は、魂を束縛（バンディ）する。
- アルジュナよ、落胆することはない。
- あなたは神的な本性を持って生まれているのだから。
■用語解説
- 神的資質（ダイヴィ・サンパット）：真実・寛容・謙虚・慈悲など、魂を高める徳の集合。
- 阿修羅的資質（アースリ・サンパット）：怒り・傲慢・偽善・貪欲など、魂を堕落させる性質。
- 解脱（モークシャ）：輪廻からの自由、究極的な精神的解放。
- 束縛（バンディ）：欲・怒り・執着などにより、自由を失う状態。
■全体の現代語訳（まとめ）
バガヴァーン・クリシュナは、「神的資質」が魂を自由へと導き、「阿修羅的資質」は逆に人を束縛するのだと明確に告げる。
そして、迷いや不安にとらわれていたアルジュナに対して、「あなたは神的な資質を持っているのだから、恐れなく進みなさい」と励ましの言葉を与える。
■解釈と現代的意義
この節は、私たち一人ひとりの中に本来的な「善性」「可能性」があることを強く肯定している。現代社会では、外的評価や自己否定にとらわれやすいが、本来の魂の質は清らかであり、それを信じて行動すれば、自由と成長の道は開かれるというメッセージである。
■ビジネスにおける解釈と適用
| 観点 | ビジネスへの応用 |
|---|---|
| 自己信頼 | 自分に内在する誠実さや意志の力を信じることで、困難な局面にも動じず行動できる。 |
| チーム育成 | 部下やメンバーの「本来の力」を信じるリーダーシップが、潜在能力を引き出す。 |
| 行動原理 | 外からの賞罰ではなく、「徳を育てる生き方」を軸とした行動が、継続的成果と尊敬を得る。 |
| マインドセットの切替 | 嘆き・不安・自己否定ではなく、「自分には力がある」という意識変容が、新たなステージの扉を開く。 |
■心得まとめ
「人は生まれながらに、光を宿している」
私たちの中には、迷いに打ち勝つ力が既にある。
嘆きや否定ではなく、「本来の資質を信じ、育て、行動すること」が、自由への道を開く。
ギーターは静かに告げる――「恐れるな、あなたには神的な資質がある」と。
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