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■原文
実に、この要素からなる私の神的な幻力*は超え難い。ただ私に帰依する人々は、この幻力を超える。
(第7章・第14節)
■書き下し文
まことに、この三種の性質よりなる我が神なる幻力は、超えがたきものなり。ただ我に帰依する者のみ、この幻力を超えん。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- 実に、この要素からなる私の神的な幻力は超え難い。
→ 確かに、三性(サットヴァ・ラジャス・タマス)から成る私の神的な幻影(マーヤー)は、極めて超えることが困難である。 - ただ私に帰依する人々は、この幻力を超える。
→ だが、私に全き信を置き帰依する者たちは、この幻力を乗り越えることができる。
■用語解説
- 幻力(マーヤー):宇宙を構成し、人々を迷わせる神の創造的力。幻影のように本質を覆い隠す。
- 三性(グナ):前節同様、自然を構成する三つの要素。
- 帰依(シャラナ):全人格的に神に身を委ね、信頼しきること。
■全体の現代語訳(まとめ)
この世界を形作り、人々を迷わせる私の神的な幻力は非常に強力だが、私に真に帰依する者はそれを乗り越えることができる。
■解釈と現代的意義
世界は見かけに満ちており、人は本質を見失いやすい。しかし、真なるものに全的に依拠することで、その迷妄を超えることが可能となる。
■ビジネスにおける解釈と適用
- 情報の渦に飲まれず、本質を貫く信念を持て
→ ビジネス環境の中には、流行・憶測・感情といった「幻力(マーヤー)」が満ちている。冷静さと信念(帰依)こそがそれを超える手段。 - リーダーの「ぶれなさ」は信頼の源泉
→ 周囲が混乱する中でも、より大きなビジョン(本質)に帰依する者は、ブレずに道を指し示すことができる。 - 戦略や思想の“核”を持つことが迷妄を超える鍵
→ 流されずに判断を下すためには、企業や個人がよりどころとする「不動の価値観(帰依の対象)」が不可欠。
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