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善き言葉は、姿なき導き手となる


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■引用原文(日本語訳)

四*
実に学識ゆたかに種々の状況をよく考慮する人々につき合うべきである。けだし、かれらの説く善いことばを聞いたならば、その人々が(そこに)いなくても、すぐれた境地に達し得る。
――『ダンマパダ』


■逐語訳(意訳を含む)

  • 学識豊かで、さまざまな状況をよく洞察し、判断できる人物と交わるべきである。
  • そのような人物の語る善き教えは、たとえ本人がその場にいなくとも、聞いた者を優れた境地(精神的完成)へと導く力を持つ。

■用語解説

  • 学識ゆたか(バーフシュッタ):ただ知識が多いだけでなく、深い理解力と応用的な智慧を持った人物。
  • 種々の状況をよく考慮する:複雑な状況を俯瞰し、物事の本質を見抜いて行動する思慮深さ。
  • 善いことば:倫理的で道を照らすような教えや忠言。単なる知識ではなく「人を変える力のある言葉」。
  • すぐれた境地:煩悩を離れた解脱の状態、または精神的・倫理的に高い次元に至ること。

■全体の現代語訳(まとめ)

深い学識と洞察力を持つ人との関係は、人生の宝となる。その人の言葉は、一緒にいる時だけでなく、離れていても心に残り、自らを導いてくれる。真に価値あることばは、姿なき師のように、我々を静かに、しかし確かに成長させる。


■解釈と現代的意義

この教えは、”学びの本質”を示しています。真に深い教えは、発言者がいなくても、その言葉が聞き手の中で生き続け、行動と意識を変える力を持っています。つまり、「人物に頼らずとも、言葉が人を育てる」ということです。
だからこそ、誰と交わるかだけでなく、「誰の言葉に耳を傾けるか」を意識することが、人生の質を大きく変えるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
メンター選び経験や学識が豊かで、視野広く状況判断のできる人物の言葉は、長期的な影響力を持つ。直接指導がなくても、その考え方が羅針盤になる。
リーダーシップリーダーはただ命令するのではなく、「本人がいなくてもチームを導く言葉」を遺すべきである。
自己学習本や講話などで、人格者の言葉に触れることは、環境に関係なく自分を高める手段となる。
企業文化ビジョンや価値観を「言葉」として共有し、それが社員一人ひとりの判断軸になっていれば、個々の行動が自律的に整う。

■心得まとめ(感興のことば)

「優れた言葉は、姿なき師となる」
学識と洞察に富んだ人の言葉は、その場限りではなく、時を越えて私たちを導いてくれる。姿は消えても、言葉は心に残り、正しき道を照らし続ける。だからこそ、真に智慧ある人の声に耳を傾けよう。

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