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現れるものは、必ず還る――変化の奥にある不変を見よ


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「昼が来る時、非顕現のものから、すべての顕現が生ずる。夜が来る時、それらはまさにその非顕現と呼ばれるものの中に帰滅する。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第18節


■逐語訳

「昼(創造の時間)になると、
非顕現(アヴヤクタ:見えない根本原質)から
すべての顕現したもの(存在、個体)が生まれる。

夜(終末の時間)になると、
それらのすべては再び非顕現の中へと戻っていく。」


■用語解説

  • 非顕現(アヴヤクタ)
     五感に感じられず、形も性質もない根源の存在。宇宙や生命の“母胎”。
  • 顕現(ヴィヤクタ)
     姿や形を持ち、私たちが知覚・経験できるあらゆる存在(人、物、事象)。
  • 帰滅する
     一時的に現れたものが再び根源に戻っていくこと。消滅ではなく「還元」。
  • 昼と夜
     物理的な時間ではなく、宇宙の活動と沈静のリズム・周期を象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

この世界に現れるすべてのものは、
根源的な非顕現の原質から生じ、
一定の期間を経てまた同じ非顕現へと還っていく。
創造と帰滅は、宇宙の根本的なサイクルとして繰り返される。


■解釈と現代的意義

この節は、「すべての現象は一時的である」ことと、
「変化の背後には変わらぬ根源がある」ことを教えてくれます。
一見すると物や出来事が次々に現れ消えるように見えても、
それらは根源から出て、再び根源へと戻っていくに過ぎない。

これは「変化を恐れるな、執着するな」という
精神的態度の礎とも言える洞察です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
変化と循環の理解製品やサービスも流行も、やがて廃れる。これは自然な現象であり、衰退は終わりではなく新たな始まりの準備である。
執着からの自由栄光も失敗も一時的なものであり、それ自体に永遠の価値を置かず、根本の理念や原則に立ち返るべきである。
サイクル思考成功・失敗のフェーズも周期として受け止めれば、過度な反応を避け、持続可能な経営判断ができる。

■心得まとめ

「すべては現れては還る。変化の流れに逆らうよりも、流れの本質を知れ」

成功も失敗も、登場も退場も、すべては一つの根源から生まれ、そこへ帰っていく。
変化を恐れず、目に見える結果に執着せず、本質に意識を向けて行動しよう。
そうすれば、どんな状況でも動じることなく、根本からぶれない判断ができる。


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