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怠ける者はすでに死せり――努力する者こそ、生きる者なり


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■引用原文(日本語訳)

つとめ励むのは不死の境地である。怠りなまけるのは死の境涯である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。怠りなまける人々は、死者のごとくである。
(『ダンマパダ』第2章「はげみ」第21偈)


■逐語訳

  • 精進する者(努力する者)は、不死の境地に至る。
  • 怠惰な者(怠ける者)は、死に等しい状態にある。
  • 努力する者は、たとえ肉体が滅びても精神は生き続ける。
  • 怠ける者は、生きていても精神が死んでいるようなものである。

■用語解説

  • つとめ励む(アッパマーダ):不断の注意・精進・意識の明瞭さ。仏教において最も重要な修行態度のひとつ。
  • 不死の境地(アマタパダ):ニッバーナ(涅槃)を象徴する言葉。生死を超えた悟りの境地。
  • 怠りなまける(パマーダ):注意散漫・無関心・怠惰を意味し、輪廻から脱せぬ苦しみの原因。
  • 死者のごとく:肉体的には生きていても、精神的には無気力で死んだような状態。

■全体の現代語訳(まとめ)

この偈は、「生きる」ということを単なる生命の継続とは見なさず、「目覚めて生きること」すなわち不断の努力と精進こそが「真に生きる」ことであると説いています。一方で、何の努力もせず、目的も持たずに生きる者は、すでに「死者と変わらぬ存在」とされているのです。


■解釈と現代的意義

この偈は、私たちがどのような生き方を選ぶか――その意識こそが「生」と「死」を分けると教えてくれます。たとえ困難な状況でも、自らの意志で一歩を踏み出す者は“生きている”存在であり、反対に現実から目を背け、流されるままに日々を過ごす者は“死んでいる”ようなものです。

この価値観は、現代人にとっても大きな気づきを与えてくれます。生きているというだけでは不十分で、「どう生きるか」が問われているのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
モチベーション管理受動的な姿勢で漫然と働くのではなく、意志を持って業務に向き合う人こそが「生きている」存在とされる。
イノベーション自ら動き、考え、変化を生む人だけが組織に新しい価値をもたらす。怠惰は現状維持にすら至らず、衰退へ向かう。
組織文化精進(アッパマーダ)を評価軸に据えた組織では、持続的な成長が生まれやすくなる。
キャリア形成毎日の積み重ねが将来を形作る。精進なき者は、時間と共に“埋もれた存在”となってしまう。

■心得まとめ

「生きているようで、死んでいないか?」

仕事に、人生に、「心をこめて」取り組んでいるか――。この問いに「はい」と答えられるかどうかが、“生者”か“死者”かを分けます。
精進こそが生命の証。不確実な時代だからこそ、一瞬一瞬を真剣に生きる者が、光を放ちます。


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