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驕らず、嘆かず、心を緻密に保て

得意のときに気を緩めれば、油断が生じる。失意のときに落胆すれば、志が折れる。栄えても沈んでも、情に溺れず、道理を守って歩むことが要である。

浮き沈みは世の常。その時々の感情に流される者は、歩みに一貫を欠く。道理をもって心を律し、いかなる状況にも動じぬ姿勢こそ、真の強さである。

また、時の勢いにかかわらず、大事と小事の分別を疎かにすれば、思わぬ過ちを招く。油断は大事を損ね、軽視は小事を拡大する。

細部にまで目を配り、緻密にことを運ぶ者だけが、確かな道を歩むことができる。

己の内に常に静かな秩序を保ち、どの時にも同じ心で事に当たれ。

○得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、情操をもって道理を踏み通すように、心掛けて出ることが肝要である。……しかしながら、得意時代と失意時代とにかかわらず、常に大事と小事とについての心掛けを緻密にせぬと、思わざる過失に陥りやすいことを忘れてはならぬ。 渋沢 栄一. 論語と算盤 (角川ソフィア文庫) (p. 20). (Function). Kindle Edition. 

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