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貪らぬ者こそ、もっとも自由に生きる


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🔖 原文(日本語訳)

「貪る人々のあいだにあって、われらは貪らないでいとも楽しく生きて行こう。
貪っている人々のあいだにあって、われらは貪らないで暮そう。」
――『ダンマパダ』第5章「愉楽品」第43偈


📝 逐語訳と要点解説

  • 貪る人々(lobhino):物質、地位、名声などに執着し、それを求め続ける人たち。
  • われら(mayaṁ):修行者・仏弟子・あるいは仏法を実践する者を指す。
  • 貪らない(alobhena):欲望に駆られず、必要以上を求めない心の状態。
  • いとも楽しく(sukham jīve):精神的安らぎの中で、清らかに生きることの喜び。

🧩 用語解説

用語解説
貪欲(lobha)三毒のひとつ。他者から奪い、自分だけが満足しようとする執着心。
不貪(alobha)ほどほどを知り、他と比べず、満ち足りた心で生きる徳。
楽しく生きる(sukham jīve)肉体的ではなく、心の安定・平穏を指す仏教的な「楽しさ」「安楽」。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

貪りあう人々に囲まれたこの世の中で、
私たちは欲に振り回されることなく
安らかに、楽しく、生きていこう。

人が貪っているからといって、
それに流される必要はない。
自分の価値観を保って暮らすことが、
ほんとうの楽しみにつながる。


💡 解釈と現代的意義

この偈は、現代社会における「欲望過多」の風潮に対する、
静かな反抗の美学を表しています。

  • 他人が貪っているからといって、自分までそうする必要はない。
  • 外界の価値観に左右されずに自分の軸で生きることで、真の喜びが得られる。
  • 欲望の連鎖から距離を置くことは、精神的成熟と自由の表現でもある。

🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
経営哲学「市場がやっているから」「競合がやっているから」と焦って追従せず、自社の理念に基づいた戦略を守る。
個人のキャリア他人の昇進・収入・成功に振り回されず、自分にとって納得できる生き方・働き方を選ぶ。
組織文化「数字至上主義」「成果主義」に偏らず、チームの誠実さや人間性を大事にする文化を育む。
マーケティング倫理消費者の「不安」や「欲望」に訴えかけるだけでなく、節度と誠実さをもって商品を伝える姿勢。

✅ 心得まとめ

「欲に勝つことは、他者に勝つより偉大である」

周囲が貪っていても、
自分まで欲深くなる必要はない。

むしろ、そこでブレずに静かに生きることこそ
現代における真の勇気である。

貪らない者は、
比べず、焦らず、穏やかで、自由だ。

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