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📖 原文引用(日本語訳)
これは安穏に達する道である。これは清浄に向う道である。心をおさめて、この道を歩む者どもは悪魔の束縛を捨て去るであろう。
――『ダンマパダ』第六章「戒しめ」第二十節(章末句)
📝 逐語訳
- これは、心の安らぎ(安穏)に至る道であり、
- これは、魂の浄化(清浄)へと進む道である。
- その道を、心を統御しながら歩み続ける者は、
- 煩悩や誘惑といった“悪魔の束縛”を断ち切ることができるだろう。
🧩 用語解説
- 安穏(あんのん):心の騒ぎがなく、静かで平和な状態。仏教における「寂静」。
- 清浄(しょうじょう):煩悩や汚れがなく、透明で清らかな心の状態。
- 心をおさめて:感情や欲望に流されず、自分自身の内面を見つめ、整えること。
- この道:ここまで説かれてきた「戒(行動の制御)・定(精神統一)・慧(智慧による理解)」の三つの修養を指す。
- 悪魔の束縛:マーラ(悪魔)=欲望・怒り・無知・慢心など、解脱を妨げる内的要因の象徴。
🪞 全体現代語訳(まとめ)
ここまでの一連の教え――戒を守り、努力し、心を整え、智慧を育てること――は、
心の平穏と清らかな人生を得るための正しい道であり、
その道を着実に歩む者は、やがて煩悩や欲望の束縛から自由になっていく。
この道こそが、真の幸福・解放・成熟に至るための確かな道である。
🌏 解釈と現代的意義
この句は、第六章「戒しめ」の締めくくりとして、仏教の修行道(戒・定・慧)こそが人を真に自由にし、心を清める道であることを明言しています。
現代においても、誘惑・過剰な情報・自己喪失といった“悪魔的な束縛”は無数にあります。
しかし、**誠実な行い(戒)・心の安定(定)・本質を見る力(慧)**をもって生きる人は、
それらに振り回されることなく、静かで確かな人生を築くことができるのです。
💼 ビジネスにおける解釈と応用
観点 | 実践例 |
---|---|
行動の指針 | 不正・虚栄・損得に揺れず、価値観と原則に基づいて判断することが、「清浄な道」である。 |
メンタルの安定 | 心の整理・集中・静けさを保つことが、長期的なパフォーマンスの基盤となる。 |
リーダーとしての姿勢 | 部下に命令するのではなく、自らが「道を歩む姿」を見せることが人々を導く。 |
真の成功への道 | 短期的な勝利ではなく、人格と信頼に根ざした持続可能な成功を志向する。 |
🧠 心得まとめ
「心を清め、道を歩み続ける者に、束縛はなくなる」
この教えは、人生の中で何が“確かな道”かを明確に示してくれる光のような指針です。
外の環境がどうであれ、自らの心を整え、戒を守り、努力し、智慧をもって生きる者は、必ず心の安穏に至る――その確信が、この一句には込められています。
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