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真の偉大さを知ろうとする姿勢こそ、学びの始まり


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■引用原文(日本語訳)

「どうか残らず告げていただきたい。あなた御自身の示現は神的(超越的)であるから。あなたはその示現によりこれらの世界を遍く満たしているとされるが。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第16節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • vaktum arhasy aśeṣeṇa divyā hy ātma-vibhūtayaḥ
     → あなたの神的な示現を、残らずお話しください。
  • yābhir vibhūtibhir lokān imāṃs tvaṃ vyāpya tiṣṭhasi
     → なぜなら、あなたはその神的な顕現によって、これらの世界に遍く満ちておられるのですから。

■用語解説

  • divyāḥ:神的なるもの、超越的な。
  • ātma-vibhūtayaḥ:自己の顕現、自己の栄光。神が自らを多様に現している形。
  • aśeṣeṇa:残らず、漏れなく、すべて。
  • vyāpya:満たして、広がって、行き渡って。
  • tiṣṭhasi:存在している、遍在している。
  • lokān imān:この世界(複数)、現象界のすべて。

■全体の現代語訳(まとめ)

「どうか、あなたご自身の神的な栄光(顕現)をすべて教えてください。あなたはその神的力をもって、この世界全体に遍在しているとされているのですから。」


■解釈と現代的意義

この節は、アルジュナがクリシュナに対して、世界に現れている神の多様な姿(ヴィブーティ)を知りたいと願い出る場面です。
彼は、単なる信仰ではなく、「その力の具体的な現れを理解したい」という知的探究と敬虔な態度をもって接しています。

これは、「学び」の基本姿勢を示しています。すなわち、偉大さや真理に出会ったとき、それを知り尽くそうとすることが、謙虚な学びの始まりであるというメッセージです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
探究心とリーダーシップ組織の核となる理念やリーダーの本質を、ただ崇めるのではなく理解しようとする姿勢が、信頼を育てる。
見えない力の可視化成果の背後にある戦略や価値観、文化の構造を「教えてほしい」と素直に求めることが、実践的成長につながる。
謙虚な質問力「知っているふり」ではなく、「教えてください」と言えることが、深い学びと信頼関係を築く鍵。
価値の全体像の把握組織の理念やビジョンがどのように日常業務に遍在しているのかを理解しようとする姿勢は、全体最適に貢献する。

■心得まとめ

「偉大さを理解しようとすること、それ自体が成長への道である」

本当に尊いものと向き合うとき、私たちは畏れや尊敬だけで終わってはならない。
それを深く理解し、どのように現れているかを学びたいと願うことこそ、学ぶ者の誠実な姿である。
リーダーや組織、理念に対しても同じ――その「真の力」がどこにどう宿っているのかを知ろうとする意欲が、自己成長の扉を開くのです。

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