目次
■原文
万物はこれに由来する*と理解せよ。
私は全世界の本源であり終末である。
(第7章・第6節)
■書き下し文
一切はこれに由ると知れ。
われは世界の本源にして終末なり。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- 万物はこれに由来する*と理解せよ。
→ この高次の本性(霊我)から、すべての存在が生じたことを知れ。 - 私は全世界の本源であり終末である。
→ 私こそが全宇宙のはじまりであり、また終わりである。
■用語解説
- 万物はこれに由来する:「これ」とは前節に出てきた「高次の本性(パラ・プラクリティ)」。宇宙はその霊的原理から発生した。
- 本源(原初):創造の根本、起点。
- 終末(終局):すべてが帰着する最終地点。宇宙の消滅の時に帰る存在。
■全体の現代語訳(まとめ)
この宇宙に存在するあらゆるものは、高次の霊的本性に由来している。それゆえ、私(クリシュナ)は宇宙の始まりであり、また終わりでもある。
■解釈と現代的意義
この節は、「私=神性」が宇宙の根本原理であり、始まりと終わりを司る絶対的存在であることを示している。人間の意識も物質の現象も、最終的にはこの一つの根源に帰一する。現代的には、あらゆる出来事やプロセスの背後には一つの「原理」や「志」があるという考えに通じる。
■ビジネスにおける解釈と適用
- すべての事業は「理念」に由来し、そこに帰着する
→ 商品・サービス・組織運営などの全ては、企業の「本源的な志(ミッション)」から始まり、最終的にはそこに立ち返る。 - リーダーは、常に起点と終点を意識せよ
→ 事業のスタートだけでなく、完了や終息の在り方にも責任を持つ。創造と終結の両面に真摯であるべき。 - ビジョンは循環の中心軸となる
→「どこから始まり、どこへ向かうのか」を明確に示すことが、従業員の意識と行動を統合する鍵となる。
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