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渡る者ととどまる者――目指すべきは彼岸である


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📖 引用原文(日本語訳)

人々は多いが、彼岸に達する人々は少い。
他の(多くの)人々は、こなたの岸の上でさまよっている。

——『ダンマパダ』第六章「賢い人」第85偈


🔍 逐語訳

  • 人々は多い:この世には無数の人々が生きている。
  • 彼岸に達する人々は少い:悟り・解脱という目的地に到達する者は稀である。
  • こなたの岸:生老病死・欲望・苦しみに満ちた俗世。
  • さまよっている:目的なく、あるいは真理に気づかずに迷い続けている状態。

🧾 用語解説

用語意味
彼岸(ひがん)煩悩を離れ、悟りや涅槃に達した状態。仏教における理想の境地。
此岸(しがん/こなたの岸)欲望・迷い・苦しみが満ちる現世の世界。
さまよう明確な目的や方向を持たずに動き回ること。心が定まらず、迷っている様子。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

世の中には多くの人々がいるが、欲や迷いを離れて、真の悟りに達する人はごくわずかである。多くの人は、苦しみや執着にとらわれた現世の岸辺を、目指す先も定まらぬまま彷徨っている。


🧑‍🏫 解釈と現代的意義

この偈は、**「生きているだけでは目的地に着かない」**という厳しい現実を指摘しています。多くの人は日々を何となく生き、惰性と欲望のなかで足踏みを続けています。しかし、賢者とは「彼岸=目的・真理・解脱」を明確に見定め、それに向かって努力する人なのです。現代においては、自己実現や精神的自由を象徴する教えとも言えます。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

テーマ解釈と応用
目標と指針の明確化大勢の人が日々の業務に追われる中で、本来の目的(理念・ビジョン)を持つ者は極めて少ない。
自律と探求心他者に流されず、何のために仕事をしているかを問い直し続けることが、「彼岸を目指す」行為である。
差別化と価値創出一般的な基準に留まらず、本質的な価値を探究し続ける姿勢が、他と一線を画す成果を生む。
迷わず進むための行動指針「さまよう」ことの多い現代社会において、信念と原則に基づいた判断が、組織や自分自身を導く羅針盤となる。

🧭 心得まとめ

「流されず、目指せ。彼岸を知る者だけが、真に進む」

人は皆生きているが、進んでいるわけではない。賢者とは、世の騒がしさに流されず、真の目的地――静けさ・自由・智慧――に向かって歩む者である。多数派に埋もれず、自らの彼岸を目指して生きる決意が、人生の質を決める。


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