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流れを断て、ニルヴァーナはその先にある


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第60偈)

バラモンよ。流れを断て、勇敢であれ。
諸の欲望を去れ。
つくり出された諸の現象の消滅を知って、
汝は、**作られざるもの(=ニルヴァーナ)**を知る者となるであろう。


🔍 逐語訳(意訳)

  • 「バラモン(修行者)よ、」と語りかけられている。
  • 「流れ(サンサーラ=生死・煩悩の流転)」を断ち切れ。
  • 欲望を放棄しなさい。
  • あらゆる“作られたもの”(=無常な現象)は滅びると知り、
  • それによって“作られていないもの”――**ニルヴァーナ(涅槃)**を知るに至れ。

🧘‍♂️ 用語解説

用語解説
流れ(サンサーラ)生死・煩悩・輪廻の流転。因果によって続く存在の連鎖。
勇敢であれ精進・決意をもって煩悩に立ち向かう覚悟を求める言葉。
つくり出された現象(サンカーラ)無常・因縁によって生まれたすべての物事(身体・感情・思考・外界)。
作られざるもの(アサンカーラ)涅槃(ニルヴァーナ)の別称。条件づけられない永遠の安らぎ。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

バラモンよ。
この生死の流れを断ち切りなさい。
欲望を捨て、勇気を持って進め。
すべての現象は、必ず滅びゆくものだと理解すれば、
あなたは「作られざる真理」――**涅槃(ニルヴァーナ)**に至るだろう。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、仏教の核心である「無常観」と「涅槃観」を簡潔に説いています。
この世のすべてのものは生まれては滅びる「つくられたもの」にすぎません。
だからこそ、それに執着することは無意味であり、真に求めるべきは「不生不滅の真理(ニルヴァーナ)」なのだと教えます。

そして重要なのは、それには**勇気(精進)**が必要だということ。
「知る」だけでなく、「断ち切る」行動が求められているのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点実践への応用
惰性の断絶惰性で続けている習慣・プロセスを“勇敢に”見直す。変革の起点。
目先の利益からの脱却欲望(短期的成果・過剰な評価)にとらわれず、長期的ビジョンへ。
無常への理解企業・市場・技術すべてが変化する。だからこそ“変わらない本質”を見抜く力が重要。
真の価値(ニルヴァーナ)とは経済的成功だけでなく、働く意味・幸福・貢献という「条件づけられない価値」を追求せよ。

💡 感興のことば:心得まとめ

「流れを断つ者だけが、岸に至る」

世界は流れる。欲も流れる。
その流れに身を任せれば、いつかは沈む。

だから――
決意して、断ち切らねばならない。
執着の糸を、習慣の鎖を。

その時、君は知るだろう。
「すべてが滅びるもの」であることを。

そしてようやく、
「滅びないもの」が見えてくる。

そこにこそ、本当の自由がある。
それが涅槃――ニルヴァーナである。


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