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心を乱さず、静けさにとどまる者が真に尊い


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第22偈)

来る者に心を浮かせず、
去る者に心を沈ませず、
憂いを抱かず、
煩悩の汚れを離れ、
静かにやすらぎの中にとどまる者――

私はその人を〈バラモン〉と呼ぶ。
――『ダンマパダ』第33章 第22偈


🔍 逐語訳(意訳)

誰かがやってきても、それに歓喜して心を騒がせず、
誰かが去っていっても、それに嘆いて悲しむこともない。
将来のことにも、過去のことにも心を悩ませず、
煩悩の汚れ(欲・怒り・無知)を離れ、
心静かに安らぎの中にとどまる者――
そのような人こそが、仏陀の言う〈バラモン〉である。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 来る者/去る者(アーガマン・ガッチャマン):人間関係・チャンス・評判・富などの「出入り」を象徴。
  • 憂い(ソーカ):悲しみ、不安、喪失感、未来への恐れなどの心の苦。
  • 汚れ(マラ):貪欲・瞋恚・愚痴などの煩悩。心の曇り。
  • やすらいでいる(ニッビュート):内面が静まり、動揺のない寂静の状態。涅槃に通じる。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

誰かが現れたからといって舞い上がることなく、
誰かが去っていったからといって取り乱すこともない。
心に悩みや憂いを持たず、
欲や怒りの汚れから自由になり、
静けさと平安の中にとどまっている者――
その人こそ、仏陀の定める〈バラモン〉である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、無常を受け入れる智慧と、心の中の動揺を鎮める力を表しています。
人との出会いや別れ、得ることや失うこと、成功や失敗――これらに振り回されず、ただ今この瞬間に心の平安を保つことこそが、真の成熟であり自由であると、仏陀は説いています。

現代では、日々情報や人間関係が変動し、心を奪われやすい状況が続きます。そんな中で、「喜ばず、悲しまず、穏やかにある」ことは、最も高度な生き方の一つと言えるでしょう。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
安定した判断力絶好のチャンスにも浮かれず、困難にも動揺しないことで、一貫性ある判断ができる。
人間関係の自立出会いや別れに過度に依存せず、冷静かつ柔軟に人間関係を保てる人物が信頼される。
ストレス耐性の源憂いにとらわれず、今に集中する姿勢が、メンタル面の持続的健康を生む。
動じない存在感経営者やリーダーに必要な「存在そのもので周囲を安定させる力」は、動じない内面から生まれる。

💡 感興のことば:心得まとめ

「来る者にも、去る者にも、
心を騒がせぬ人が、最も自由である」

期待にも、失望にも、憂いにも心を預けず、
静かに、穏やかに、ただ「今」を生きる人こそが、
真に清らかであり、尊い存在である。

仏陀は、そうした静けさの中に生きる者に「バラモン」という名を贈ったのです。


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