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根源の音となり、調和と時を司れ


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■引用原文(日本語訳)

「私は文字のうちの『ア』字である。合成語における並列複合語である。私はまさに不滅の時間である。私はあらゆる方角に顔を向けた配置者である。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第33節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • akṣarāṇām a-kāro ’smi
     → 文字(音節)の中では、私は「ア」音である。
  • dvandvaḥ sāmāsikasya ca
     → 合成語の中では、私は並列複合語(ドヴァンドヴァ)である。
  • ahām evākṣayaḥ kālaḥ
     → 私こそが不滅の時間である。
  • dhātā ’ham viśvato-mukhaḥ
     → 私は万方に顔を向けた「配置者(創造の支配者)」である。

■用語解説

  • a-kāra(ア音):サンスクリットの最初の音であり、音の根源。宇宙の始まり・根源的存在の象徴。
  • dvandva(並列複合語):サンスクリットの文法における複合語の一種で、「日月(太陽と月)」のように、2つの語が同等に並ぶ構成。調和と対等性を象徴する。
  • akṣaya kāla(不滅の時間):永遠に流れ続ける時間そのもの。あらゆる変化の中の不変の原理。
  • dhātā(配置者):創造・秩序・配置を行う神的存在。
  • viśvato-mukha(万方に顔を向けた):すべての方向に意識を向ける、全知全能の姿。

■全体の現代語訳(まとめ)

「私は音の中の『ア』であり、合成語の中の並列複合語である。私は不滅の時間であり、あらゆる方向に顔を向けた配置者である。」


■解釈と現代的意義

この節は、存在の根源・調和的関係・永遠性・全体認識の象徴的表現です。

  • 「ア音」は音の起点であり、宇宙的振動の第一歩。全創造の出発点を示す。
  • 「並列複合語」は支配と被支配の関係ではなく、対等な共存・協働関係の価値を示す。
  • 「不滅の時間」とは、成功・失敗・変化を超えて持続する存在の力。
  • 「万方に顔を向ける配置者」とは、全体最適・多面的思考の象徴でもある。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
根源の意識商品・事業・行動の「最初の意図」に忠実であれ。なぜ始めたかを忘れない。
並列・対等性パートナーやチームメンバーを上下で見ず、「共創」の関係を築く。
不滅の時間一時の成果に左右されず、長期的価値を重視する姿勢。
全体視点の配置各部門・立場・市場を見渡し、バランスの取れた意思決定を行う。

■心得まとめ

「原点に立ち返り、共に並び、永遠の時間を配慮して全方位的に調和せよ」

「ア」に始まり、「対等」に語られ、
「不滅」の時間に基づいて、
「全方位」に秩序を与える者であれ。

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