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■引用原文(日本語訳)
劫末において、万物は私のプラクリティ(根本原質)に赴く。
劫の始めにおいて、私は再びそれらを出現させる。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第7節)
■逐語訳(一文ずつ訳す)
- 劫(長い宇宙周期)の終わりに、
- すべての存在(万物)は、私のプラクリティ(根本的自然)に帰っていく。
- 劫の始まりにおいて、
- 私はそれらをもう一度創造し、現象世界へと送り出す。
■用語解説
- 劫(カルパ):宇宙の創造・維持・消滅というサイクルの1単位。非常に長い時間の区切り。
- プラクリティ(根本原質):万物の根底にある自然原理。神のエネルギーであり、宇宙を構成する本源。
- 出現させる(ヴィスリジャーミ):創造する、外へ送り出す。現象世界への顕現。
■全体の現代語訳(まとめ)
宇宙の周期(劫)の終わりになると、すべての存在は私の根本原理であるプラクリティに吸収される。
そして、宇宙の新たな周期が始まるとき、私はそれらの存在を再び創造し、この世界へと顕現させる。
私は創造と消滅という宇宙の営みの源泉であり、その根本の力である。
■解釈と現代的意義
この節は、神(バガヴァーン)が単に現象の背後にあるだけでなく、宇宙の「始まり」と「終わり」すら司る存在であることを明示しています。
万物は現れては消え、また現れる――その繰り返しの中に、永遠なる神の意志と法則がある。
現代においては、「すべては循環している」「終わりは新たな始まりである」という生命観や経営観としても読み取れます。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
終わりは始まり | プロジェクトや事業が終わるとき、それは新しい創造の始まりでもある。終焉を恐れず、再構築へと向かう姿勢が重要。 |
サイクルの理解 | 経済・市場・事業も成長と停滞のサイクルがある。それを受け入れ、次のフェーズの準備を怠らないのが知恵。 |
原点回帰と再創造 | 困難な局面では一度「原点(理念・ビジョン)」に立ち返ることで、新たな方向性を見出せる。 |
■心得まとめ
「すべての終わりは、次の創造の準備である」
万物は神の根本原理に帰り、またそこから創造されていく。
消滅とは無ではなく、再生の準備である。
ビジネスにおいても、変化や終了に動じず、それを新たな創造のチャンスと捉える視点が重要である。
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