目次
■原文
私は力ある者の、欲望と愛執を離れた力である。
私は生類における、美徳(義務)に反しない欲望である。
(第7章・第11節)
■書き下し文
我は、欲望と愛執を離れた、力ある者の力なり。
我は、諸生類における、義に背かざる欲望なり。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- 私は力ある者の、欲望と愛執を離れた力である。
→ 私は、私欲や執着から離れた、純粋な力の本質である。 - 私は生類における、美徳(義務)に反しない欲望である。
→ 私は、道義や正しさに反しない形で現れる欲望の中にある。
■用語解説
- 欲望(kāma):本来は欲求全般を意味するが、文脈により執着や自己中心的な欲も含む。ここでは浄化された欲望。
- 愛執(rāga):対象に執着し、離れがたくなる感情。
- 美徳に反しない欲望(dharma-aviruddha kāma):「ダルマ(道義・義務)」に反さない、正当な欲望。生存、家庭、創造などに関わる正当な欲求。
■全体の現代語訳(まとめ)
私は、私欲や執着を離れた者の力であり、また、生き物の中で道義に反しない正当な欲望の中にも存在している。
■解釈と現代的意義
この節は、力や欲望そのものが悪いのではなく、「どのような心で持つか」が重要であることを説いている。正しく管理された力や欲求は、人間を成長させ、社会に貢献する原動力となる。神性とは、制御され、義にかなったエネルギーの中に宿る。
■ビジネスにおける解釈と適用
- クリーンなパワー(正当性のある影響力)
→ 私欲や利己的野心から離れたリーダーの影響力は、組織に真の信頼と協働をもたらす。 - ビジョンに従った欲望の使い方
→ 欲望(売上、成長、拡大)も、倫理(ダルマ)にかなった方向ならば正当で力強い。目的と手段の整合性を保つことが重要。 - 動機の純化が成功を支える
→ 動機が義にかなっていれば、その行動力や情熱は永続的かつ持続可能なものとなる。目標達成への集中もぶれない。
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