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引用原文(日本語訳)
全世界を照らす、太陽に存する光輝、
また、月や火の中にある光輝、
それは私に属する光輝であると知れ。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第12節)
逐語訳
世界を照らしている太陽の光、
夜を照らす月の光、
そして火の中に燃えている光――
それらの輝きは、すべて私(神)の光に由来するものであると知りなさい。
用語解説
用語 | 意味 |
---|---|
太陽の光輝 | 昼を支配し、命にエネルギーを与える象徴的存在。創造・活動の象徴。 |
月の光輝 | 夜の安らぎ、感受性、感情の象徴。反射された光としての「他者との関係」も含む。 |
火の光輝 | 身体的・実際的な熱源や浄化の象徴。行動・変化・調理・実用性の象徴。 |
私に属する光輝 | 神(バガヴァーン)を根源とするエネルギー・力。すべての存在の源たる神性の発現。 |
全体現代語訳(まとめ)
世界を明るく照らす太陽の光、
静かな夜を照らす月の光、
生活の中で火となって働く光――
それらはすべて、私(至高の存在)の本質から現れた光であり、
個別のものではなく、ひとつの根源に属しているのだと理解せよ。
解釈と現代的意義
この節は、「あらゆる光――つまり知識・力・美・行動・変化――の源は、神的な本質にある」と説いています。
私たちはしばしば、光(成果・能力・エネルギー)を「個別のもの」「外部のもの」として捉えますが、
そのすべては一つの根源から分かれて出てきたものであり、光の背後にある“本質”を見ることの重要性が強調されています。
ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
能力や成果の源を見る | 社員の力、製品の輝き、売上の成功も「偶然」や「個人技」ではなく、原理・土台(企業理念・環境・文化)に支えられている。 |
リーダーの立場 | チームの光が自分の力ではないことを自覚し、謙虚な姿勢で源への感謝を忘れない。 |
組織のエネルギー理解 | 誰が「太陽」として日中を導き、誰が「月」として夜を癒し、誰が「火」として実務を支えているのかを見極め、配置する力。 |
本質から再構築する戦略 | 表面的な施策に頼るのではなく、「なぜこれが輝くのか?」という本質的問いから発想し直す。 |
心得まとめ
「光は分かれていても、源は一つ」
成果も、才能も、感動も――
すべての“輝き”には共通の源がある。
それを忘れて目の前の光にだけ心を奪われると、
本質を見失い、迷いが生まれる。
光を見るだけでなく、
光を生み出す力の根源に気づける人こそが、
真に世界を照らす存在となる。
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