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📖原文(日本語訳)
「偉大な英雄である諸の如来は、この世で、正しい教えをとどろかせたまう。正しい教えをとどろかせたまう人々を、いかなる智者たちが嫉むであろうか?」
— 『ダンマパダ』第21章「如来」第8節
🔍逐語訳・用語解説
語句 | 解説 |
---|---|
偉大な英雄(マハーヴィーラ) | すべての煩悩・悪魔に打ち勝ち、自らを完全に克服した者。ここでは諸仏(如来)を指す。 |
如来(タターガタ) | 真理を体現し、それを他者に説く覚者。仏陀の尊称。 |
正しい教え(ダンマ) | 仏陀の悟りに基づく真理の教え。無常・苦・無我など。 |
とどろかせたまう(鳴らす) | 世に広く教えを説くこと。真理の鼓を響かせる行為。 |
智者たち | 知恵ある者たち。真理を知り、正義を愛する高徳な人々。 |
嫉む(そねむ) | 他者の価値や成功を妬むこと。本来、智者はそれをしない。 |
💡全体の現代語訳(まとめ)
この世に現れた偉大な英雄たる如来たちは、真理の教えを広く世に響かせる。
そのようにして正しい教えをとどろかせる人々を、
どうして本当の智者が妬むことなどあろうか?――いや、決してない。
🧠解釈と現代的意義
この節は、「真理を語る者」「真理を広める者」が、真の智者によって妬まれることはない、ということを力強く断言します。
自己の栄誉や利益のためでなく、真理と他者の利益のために声を上げる者――そのような存在は、尊敬されこそすれ、決して嫉妬の対象とはならないのです。
現代社会においても、真摯に価値あるビジョンを語るリーダーや文化人に対して、一時的に批判や誤解があっても、最終的に真の知性ある人々はその価値を認めるものです。
この節は、「誠実に語り、行動すること」への励ましの言葉でもあります。
💼ビジネスにおける解釈と応用
視点 | 応用例 |
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価値ある発信の勇気 | 社内外において真理や正しさを語ることは時に勇気を要するが、それが本物であれば知恵ある人々が支持してくれる。 |
批判を恐れない信念 | 一時的な誤解や反発を恐れず、価値ある理念やビジョンを貫くことが、長期的信頼を築く。 |
嫉妬されない人格 | 他者を攻撃せず、自他共に高める姿勢を持つことで、敬意を集めるリーダーとなる。 |
真理に立脚した経営 | 利益至上主義でなく、価値と倫理に根ざした経営は、最終的に広く認められる。 |
🧾心得まとめ
「真理を語る声は、誠実であれば必ず届く」
正しいことを正しく語る者を、
真に知恵ある者は決して妬まない。
むしろ、誠実さと勇気を持って
教えや価値を広める人は、
静かに深く、尊敬を集めていく。
それが、如来のような真理の担い手の道である。
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