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道具は与えられても、上達するかは自分次第

孟子は、技術の習得における「主体的な努力」の重要性を説いている。
たとえば建具屋や大工、車輪や車台をつくる職人たちは、人に道具の使い方は教えられるが、「器用にさせる」ことはできない。

つまり、知識や手法は教えてもらえるが、それを活かして自ら上達できるかどうかは、本人の意欲と努力にかかっている。
他者はきっかけや環境は与えられても、結果を保証することはできない。

学びとは、受け取る姿勢以上に、活かす努力によって実を結ぶものだ。
「教えてもらえなかった」ではなく、「自ら得ようとしたか」が問われている。


引用(ふりがな付き)

「孟子(もうし)曰(いわ)く、梓(し)・匠(しょう)・輪(りん)・輿(よ)は、能(よ)く人(ひと)に規(き)を与(あた)うるも、人(ひと)をして巧(たく)ならしむること能(あた)わず」


注釈

  • 梓(し)…建具職人。木を加工して戸や窓を作る者。
  • 匠(しょう)…大工。建築全般を担う職人。
  • 輪(りん)…車輪を作る職人。
  • 輿(よ)…車台(しゃだい)を作る職人。車の本体部分を担う。
  • 規(き)…ここでは「道具」や「定規」。または教え方の指針や技術の型。
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