目次
📖 引用原文（日本語訳）
八＊
信仰あり、徳行そなわり、
ものを執著しないで与え、物惜しみしない人は、
どこへ行こうとも、そこで尊ばれる。
📝 逐語訳
- 信仰（シュラッダー）を持ち、
- 徳行（ダルマ）を実践し、
- 所有物に執着せずにそれを与える（アスング・ダーナ）、
- 惜しまず分け与える（アルパ・マツァリヤ）人は、
- たとえどこに赴こうとも、その場で尊敬され、評価される。
🧩 用語解説
- 信仰（シュラッダー）：
他者や真理、自己の道に対する確固たる信頼と誠実さ。 - 徳行（ダルマ）：
社会的にも霊的にも善とされる行為や在り方。誠実、公正、謙遜、慈悲などが含まれる。 - 執着なき与え（無執着施）：
自分の見返りや所有欲から離れ、純粋に他者のために与える心。 - 物惜しみしない（無吝嗇）：
小さなことにも惜しまず、知識・物・時間・労力を分け与える寛容さ。 - どこでも尊ばれる：
地位や環境によらず、その人自身の持つ徳性が、場所や人を問わず自然と評価される。
💡 全体の現代語訳（まとめ）
信じる心があり、日々徳を行い、
執着をもたずに与え、惜しみなく分かち合う人は、
行く先々で敬われ、信頼を集める。
その人の在り方自体が、価値と光を放つ。
🔍 解釈と現代的意義
この節は、人の真の価値は「所有しているもの」ではなく、
信仰・徳性・無私の心・寛容さにあることを端的に示しています。
「何を持っているか」ではなく、
「何を与えられるか」そして「どう在るか」によって、
人は自然と周囲に認められ、尊ばれていく。
この考え方は、
競争的・成果主義的な社会において、
「人格資産」こそが最も持続的な評価を得る道であることを教えてくれます。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
| 観点 | 適用例 |
|---|---|
| リーダーとしての信頼性 | 自分の成果だけでなく、チームの成長や他者の支援に力を注ぐ人は、自然と尊敬を集める。 |
| ナレッジシェアの文化 | 情報やノウハウを惜しまず共有する姿勢が、職場全体のレベルアップと心理的安全性を高める。 |
| 顧客関係・サービス精神 | 提案やサポートを惜しまず提供し、執着なく相手本位に動く姿勢が長期の信頼を築く。 |
| 転職・移動後の評価持続 | どこに行っても尊敬されるのは、持ち物や役職でなく、与え方と人格によるものである。 |
✨ 心得まとめ
「惜しまず与える人は、どこでも尊ばれる」
信仰に根ざし、徳を実践し、
所有にとらわれず、心から分かち与える人は、
どんな場所でも尊敬され、真の影響力を持つ。
バガヴァッド・ギーターは語る——
「価値は所有ではなく、分かち合う力に宿る」。
コメント