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欲を離れ、心を自己に据えるとき


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■引用原文(日本語訳)

「心が制御され、自己においてのみ安住する時、その人はすべての欲望を願うことなく、『専心した者』であると言われる。」
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第18節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 心(マナス)がよく制御されており、
  • そして自己(アートマン)の中にのみ安らぎを得ているとき、
  • 欲望(カーマ)を一切抱かず、
  • その人は「専心した者(ヨーギン)」と呼ばれる。

■用語解説

  • 心の制御(ニヤマ):感情や衝動に振り回されず、意識的に落ち着かせ、統一させること。
  • 自己に安住(アートマ・ニシュタ):自分の本質(魂)と一体となり、外に頼らない精神状態。
  • 欲望(カーマ)を願わない:対象に執着する気持ちを手放し、外的な満足を追わない心の自由。
  • 専心した者(ユクタ/ヨーギン):心が統一され、真理と自己に集中している修行者・実践者。

■全体の現代語訳(まとめ)

心を完全に制御し、自分自身の中に深く落ち着いている者は、もはや欲望に動かされることなく、真に「ヨーガに到達した者」と言われる。
外的な刺激や結果を追い求めず、内面の静けさに安住する姿が、真の専心の境地である。


■解釈と現代的意義

この節は、「心の支配が精神の自由を決める」ことを明確に示しています。
外部の状況や評価、物質的な欲望に依存せず、自分自身の内面に安定を見出したとき、人は真の集中と調和の中に生きることができるのです。
現代においても、情報や欲望があふれる世界で、自分の軸に戻る力が重要です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と適用例
内発的動機外部の報酬や称賛に依存せず、自分の意義・価値観に基づいて行動できる人が、安定して成果を出せる。
感情のコントロール焦りや誘惑に左右されず、状況に応じて冷静に判断する姿勢が、信頼と実力を築く。
マインドフルネス目標や情報に振り回されず、今この瞬間に意識を集中できる力が、判断力と行動力を磨く。
自己信頼他人の評価ではなく、自己との対話を通して行動の方向性を定める人は、ぶれずに前進できる。

■心得まとめ

「外に求めず、内に定まる者が、真に自由である」
心を外界の刺激や欲望に明け渡さず、自分の本質と向き合い、それに安住する――その境地にこそ、精神の統一と自由がある。
ビジネスの現場でも、焦らず惑わされず、自らの判断基準と信念に基づいて行動する人こそ、長期的に信頼されるリーダーとなる。


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