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経営における数字の力:目標を数字で定める重要性

経営の成否を分ける鍵は、目標を明確に定め、それを数字で表現することにあります。数字は単なるデータではなく、行動を導く言葉の力を持っています。

銀行をはじめとする外部関係者との信頼構築や、社内の方針決定においても、数字は不可欠な存在です。

本記事では、経営における数字の重要性と、それをどのように活用するかについて解説します。

目次

目標を数字で定める重要性

経営の第一歩は、目標となる数字を明確にすることです。数字は単なるデータではなく、それ自体が言葉としての力を持っています。

銀行との信頼関係を築くうえで、数字は非常に重要です。

銀行が無担保で融資をしてくれる理由は、「数字を用いて具体的に説明できるから」です。銀行は、経営者の哲学や理念よりも、数字に基づいた事業の現状と将来性を重視します。

数字は経営者の人格そのものであり、言葉としての役割を果たします。

しかし、私がこれまで経営指導をしてきた企業の中で、自社の状況を数字で明確に示せる経営者に出会ったことはほとんどありません。

売上、給与、経費など、基本的な数値を正確に把握していない経営者が多いのが現状です。このため、経営計画書を作成する際には、現在の売上や利益、そして将来の目標を具体的な数字で表現することが不可欠です。

たとえば、新規開拓に力を入れる場合、新規顧客の件数やそれによる売上、利益額を具体的な数字で示すことが重要です。

数字が方針を導く

経営計画書において最も大切なのは数字です。まず目標となる数字を決定することから始めます。

現在の売上が100で、来期の利益目標が100であれば現状維持。利益目標が150であれば人員や設備の増強を検討します。逆に目標が50であればリソースの縮小、0であれば撤退という判断が必要です。

このように、数字を決めることで経営方針が自然と定まります。たとえば、野球の監督が得点状況に応じて戦略を変えるように、経営でも数字を基に判断を下します。手段を先に考えるのではなく、目標から逆算して手段を導き出すのが経営の本質です。

稼ぐ商品と顧客を明確にする

数字を決定したら、次に「どの商品(事業)で稼ぐか」を考えます。その商品を誰に売るのか、すなわちターゲットとなる顧客を明確にすることで、顧客に関する方針が決まります。

たとえば、前年に5000万円の売上を達成した商品を今年は8000万円に増やすという目標を立てた場合、その商品に関する方針が定まります。

さらに、商品の販売量を増やすのであれば、それに応じて販売戦略や必要な人員計画も決まります。

数字を起点にすることで、商品の選定から販売戦略、要員計画まで、具体的な方針が自動的に導き出されます。数字をブレークダウンしながら具体化していくことで、経営計画がより実効性の高いものとなります。

数字が描く経営の未来

経営における数字は、単なる目安ではなく行動を生む羅針盤です。目標となる数字を設定することで、具体的な方針や戦略が明確になり、計画が実行可能なものとなります。

数字に基づく計画は、銀行などの外部ステークホルダーとの信頼を築くだけでなく、社内の一体感や成長への意欲をもたらします。

数字を起点に未来を設計し、具体的な行動に落とし込むこと。それが企業の成長を支える確かな一歩です。

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