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形なきものを想うより、心をもって奉仕せよ

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■引用原文(日本語訳)

アルジュナはたずねた。
「このように常に〔あなたに〕専心し、あなたを念想する信者たちと、不滅で非顕現なものを〔念想する〕人々とでは、どちらが最もヨーガを知る者であるか。」
(『バガヴァッド・ギーター』第12章 第1節)

■逐語訳

アルジュナは尋ねた:
「あなた(神)に心を向け、念想し続ける信者と、形なき不滅の存在を思念する者とでは、どちらが真のヨーガの実践者なのですか?」

■用語解説

  • 専心(アヴィシャンダヨーガ):対象から心を逸らさずに集中し続けること。
  • 念想(スマラナ/ウパーサナー):対象を思い、心に留め、精神的に一体化する修行。
  • 不滅で非顕現なもの(アクシャラ・アヴィヤクタ):五感で捉えられない絶対的存在。形や属性を持たないブラフマン(宇宙原理)のような概念。
  • ヨーガを知る者(ヨーガヴィッタマハ):ヨーガの真髄を体得し、実践している人物。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、神に心を向けて愛と信仰で奉仕する人と、形なき真理を論理や思念で探究する人と、どちらがより優れた修行者かを問いかけている。

■解釈と現代的意義

この問いは、宗教的・哲学的な修行において、信仰による愛の実践と、抽象的な思索のどちらが優れているかという普遍的なテーマを表しています。

人間には理知的な面情感的な面の両方がありますが、アルジュナの問いは、「行動と愛を伴った道が、より人間らしいのではないか?」という内なる葛藤でもあります。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
理論と実践のバランス完全無欠の理論を追い求めるよりも、顧客やチームへの「奉仕と共感」に根ざした行動が成果を生む。
抽象と具体の使い分け抽象的戦略よりも、日々の現場で心を込めて働く姿勢のほうが、人を動かし信頼を築く。
真のプロフェッショナル数字や理念を超えて、「誰のために働いているか」を自覚し、愛をもって行動する人こそがヨーガの実践者。

■心得まとめ

「理論よりも、心を尽くすことに真理は宿る」
形なき理想を追いかけるのではなく、目の前の誰かに心を注ぎ行動する――それが本当の意味での“道”の実践です。ビジネスの現場でも、理念を語るよりも、誠実な行動こそが人の心を動かし、組織を導く力となります。

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