自分の得ばかりを追えば、やがて人の信を失う
孔子は、人として正しく生きようとするなら、「利(り)」――つまり私的な利益――に囚われてはならないと説いた。
自分の損得ばかりを基準にして行動する者は、他人への配慮を欠きやすく、やがて周囲に不満や恨みを生む。
一時の成功を得たとしても、信頼や人望を失えば、それはやがて破綻を招くものとなる。
「自分だけが得をすればいい」という考えは、人の心を離れさせ、結局は孤立する結果になる。
孔子の言葉は、短く鋭く、現代にも通じる倫理を突いている。
原文とふりがな付き引用
子(し)曰(いわ)く、利(り)に放(はな)って行(おこな)えば、怨(うら)みを多(おお)くす。
自分の利益だけを求めて動く者には、
やがて多くの人の怨みが集まる。
注釈
- 利に放って行う…利益を最優先して行動すること。倫理や他人の立場を顧みない態度を指す。
- 怨み(うらみ)を多くす…周囲に不満・反感・敵意を買うこと。結果として人望や信用を失う。
- この句は「利己的な行動は必ず代償を生む」という警告であり、社会的調和の観点からも重みのある一節。
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