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実力を認め、抜擢する企業の力

以下に、オリジナルの文章として再構成しました。


実力を認め、抜擢する企業の力

企業が成長し続けるためには、人材の実力を見極め、適切に昇進させたり抜擢したりすることが必要不可欠です。能力のある社員を重要な役割に据えることで、組織は新たな活力を得ることができます。その重要性について疑う余地はありません。

しかし、実際には多くの企業でこの「実力に応じた昇進や抜擢」が十分に行われていません。口では実力主義や少数精鋭を掲げながら、その理念が形だけに終わっているケースが少なくないのです。その背景には、主に次のような理由が挙げられます。


人間関係の壁

ひとつ目の理由は、人間関係への配慮です。特定の社員を抜擢すると、周囲の社員が不満を抱くのではないか、会社を辞めてしまうのではないかといった懸念から、社長や経営陣が思い切った判断を避ける傾向があります。しかし、もしそのような懸念を優先するのであれば、そもそも実力主義を掲げるべきではありません。

実力を評価し、抜擢することは、企業として掲げた方針を実現するための基本です。その実行が伴わなければ、言葉だけの方針はむしろ社員の不信感を招き、会社の競争力を低下させます。特に少人数で運営される中小企業では、社員一人ひとりの力を最大限に引き出すことが生き残りの鍵となります。


実力者は「いない」のではなく「認めていない」

もうひとつの理由として、「抜擢するに足る実力者がいない」とする言い訳があります。しかし、実際には優秀な人材が存在しているにもかかわらず、その欠点ばかりが注目され、評価されないケースがほとんどです。

「積極的だが、他人と衝突しやすい」「能力はあるが、協調性に欠ける」などと、欠点を理由に抜擢を避けるのは誤りです。有能で積極的な人材には、失敗や衝突がつきものです。それを恐れていては、新しい挑戦や成果を得ることはできません。

また、「まだ若い」という理由で優秀な人材を抜擢しないことも、経営者が陥りがちなミスです。経験が浅いことを理由に責任ある役割を与えないのでは、せっかくの若さや情熱、エネルギーを活かす機会を失います。むしろ、そのエネルギーを活かすべく抜擢することで、さらに大きな成長を促すことができるのです。


抜擢の成功例:九州松下電器の挑戦

昭和41年、九州松下電器では、新設された佐賀工場の初代工場長に、当時22歳の主任を抜擢するという大胆な決断を下しました。この抜擢にあたり、専務は社員を階層ごとに分けて20回以上の説明会を開き、抜擢の理由を丁寧に説明しました。そして、こう語りました。

「成果を出せなければ元のポジションに戻す。その場合、誰の責任にもならない。だからこそ、全員で彼を支えてほしい。」

この言葉が社員たちの理解を得る大きな助けとなり、結果として抜擢は大成功を収めました。抜擢された社員だけでなく、周囲の社員への説明と配慮が功を奏したのです。


抜擢された社員へのフォロー

抜擢後、最も重要なのは抜擢された社員をしっかりサポートすることです。ただし、そのサポートは「特別扱い」ではありません。例えば、私自身の経験では、新しい役職に就いた際、社長は私を特別視することなく、あくまで公平に扱いました。そのことが、私にとって大きな励みとなりました。

一方で、抜擢後のフォローには「育成」という視点も欠かせません。抜擢した人材が成果を上げられるよう、時には叱咤し、時には背中を押す。それが企業のリーダーに求められる重要な役割です。


決断こそが企業の未来をつくる

実力に応じた昇進や抜擢は、特別な制度や仕組みを必要としません。必要なのは、経営者の覚悟と判断力です。そして、抜擢の決断を下した後は、社員や幹部への説明や説得を惜しまず、抜擢された人材がその能力を発揮できる環境を整えることが大切です。

企業の未来を切り開くのは人材です。その人材を見極め、適切に活用すること。それが、どの時代にも変わらない企業経営の原則です。

もしさらに修正や具体例の追加が必要であれば、お気軽にお知らせください。どんな要望にも柔軟に対応します!

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