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語る前に思い、沈黙に徳を見よ


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📜引用文(第七章 第八)


聖者は実に生きものを傷けることなく、
つねにことばについてよく慎しんでいる。
かれらは不死の境地におもむき、そこに至れば悩むことがない。


🔍逐語訳

  • 生きものを傷けることなく:暴力や威圧だけでなく、言葉や無関心による傷つけも避ける態度。
  • つねにことばについてよく慎しんでいる:不用意な発言・嘘・中傷・軽口を避け、言葉を選び、沈黙を守る知恵。
  • 聖者:言葉・行い・心が整った実践者。内なる清らかさと外なる穏やかさを備えた存在。
  • 不死の境地(アマタ・パダ):輪廻の苦を超えた、心の完全な静けさ・解脱。
  • 悩むことがない:苦・煩悩・葛藤・後悔のすべてを超えた精神的安穏。

🧩用語解説

  • 言葉の慎み(口業の浄化):四悪口(妄語・綺語・悪口・両舌)を離れ、誠実・清浄・慈悲の言葉のみを用いること。
  • アヒンサー(非暴力):身・口・意を通じて一切の生命に苦を与えない。マハトマ・ガンジーもこれを人生原則とした。
  • 聖者の姿:単に知識や修行歴がある人ではなく、日々の言動に慎みと慈しみを徹底できる人。

🧘‍♂️全体現代語訳(まとめ)

聖なる人は、命あるものを傷つけることなく、ことばにおいても常に慎み深く生きている。こうした人々は、煩悩を離れた「不死の境地」へと向かい、そこに至れば、悩みや苦しみとは無縁となる。


📖解釈と現代的意義

現代は、SNS・チャット・メールなど言葉が一瞬で他者に届く時代です。だからこそ、「語ること」には大きな責任が伴います
傷つけるつもりがなくても、無意識の一言が誰かの心を深く傷つけていることもあります。

この節は、「沈黙を恐れず、言葉を慎み、語る前に心を整えること」の重要性を説いています。真に慈悲深い人とは、語りの巧みさではなく、語らないことを選べる智慧と勇気を持つ人です。


💼ビジネスにおける応用

視点適用例
リーダーの発言力無駄な圧力や怒りを伴う言葉ではなく、沈黙や肯定の一言が人を導くこともある。
クライシス対応慎重な言葉選びと誠実な説明が、組織の信用と顧客の信頼を守る。
チームコミュニケーション言葉で傷つけない空気をつくることが、心理的安全性と創造性を生む。
プレゼン・広報表現の華やかさよりも、真実と誠実さのある言葉が人を動かす。

🧭心得まとめ(座右の銘風)

「沈黙は真の力、言葉は心の鏡」
傷つけない言葉は、剣よりも強い。
語る前に思い、伝えるよりも聴く。
慎みの言葉は、あなた自身を救い、
周囲を癒し、不死の境地へと導く。


この節をもって、「身・口・意の清浄さ」が不死の境地(涅槃)へと至る因であることが繰り返し強調されました。

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