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■引用原文(日本語訳)
迷える人々は、人間の体をとる私を軽んずる。
私の、万物の偉大な主としての最高の状態を知らないで。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第11節)
■逐語訳(一文ずつ訳す)
- 迷いの中にある者たちは、
- 私(バガヴァーン)が人間の姿をとって現れたとき、
- それを見下し、過小評価する。
- 彼らは、私が万物の支配者であり、
- 至高の存在としての本質を知らないからである。
■用語解説
- 迷える人々(アヴィジャーナンティ):無知・思い込み・執着によって真理を見誤る者たち。
- 軽んずる(アヴァジャーナンティ):見下す・過小評価する。外見や表面に惑わされ、本質を見ない態度。
- 人間の体をとる私(マーヌシム・タヌム・アーシュリタム):神が人間の形として現れること(例:クリシュナ神の顕現)。
- 万物の偉大な主(マハーイーシュヴァラム):全宇宙の根本的支配者・最高存在(バガヴァーン)。
- 最高の状態(パラム・バーヴァム):神の超越的・永遠的な本質。
■全体の現代語訳(まとめ)
無知な者たちは、私(神)が人間の姿で現れたとき、それを単なる人間だと侮る。
彼らは、私が万物の根源であり、全宇宙の偉大な主であることを知らない。
そのため、神の本質を見抜けず、外見に惑わされるのだ。
■解釈と現代的意義
この節は、「本質を見抜く眼」の大切さを説いています。
神が人間の姿で現れるように、真理や偉大さは時に「普通の形」をして現れます。
それを見抜けずに軽んじる人々は、永遠に本質に近づけない。
現代では、肩書きや外見に囚われず、背後にある意志・人格・価値を見抜く洞察力が求められます。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
本質を見る力 | 地味な人、若い人、新人などを過小評価せず、本質的な能力や価値に目を向けることが重要。 |
外見に惑わされない | 華やかなプレゼンや立派な肩書に惑わされず、実力・信頼性・志の深さを見極める。 |
誠実な人物評価 | 神やリーダーのように、人知れず働く人物の価値を正当に評価することで、組織全体が健全に成長する。 |
■心得まとめ
「形にとらわれず、本質を見抜け」
偉大なものは、ときに普通の姿をして現れる。
それを見下すのは、自分の眼の未熟さを示すだけ。
真に重要なのは、見えにくい価値や本質を見抜く知恵と心の目を育てること。
ビジネスにおいても、「見た目」ではなく「本質」で人や機会を判断できる者こそ、成功と信頼を手にする。
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