経営計画を立案する際、売上高を基準にして利益を計画するというアプローチが広く見受けられます。
しかし、この方法は計画ではなく、単なる計算に過ぎず、企業にとって危険な結果を招く可能性があります。
売上高基準の問題点
売上高を基に利益を予測する方法は、一見合理的に思えますが、実際には多くの欠陥を抱えています。この手法を推奨する人々は、次のような誤った前提に基づいています:
計画は実行可能であるべきという思い込み
実現不可能な計画は無意味であるとの考えから、現実的な売上高を予測し、それを基に利益を計画するアプローチが採用されがちです。
計画と実績の一致が絶対条件という誤解
計画通りに物事が進むことを前提に、実績が計画と乖離した場合には計画を修正するべきだという理論が浸透しています。
このような考え方の背景には、「会社は絶対に潰れない」という暗黙の前提が存在します。しかし、現実の経営において、この前提は成り立たず、むしろ会社は常に倒産の危険性を抱えているのです。
危険理論の本質
売上高基準で計画を立てることは、企業の経営を破綻に導く危険な考え方です。理由は以下の通りです:
現実無視の理論
売上高を基に計画を立てることは、現実の変化や予期せぬ事態への柔軟な対応を妨げます。その結果、企業の意思決定が硬直化し、状況に応じた修正が難しくなります。
過剰な楽観主義
売上高を過大に見積もることで、利益計画が非現実的になる危険性があります。このような計画は実行可能性を欠き、企業を不安定な状態に追い込む可能性があります。
本質からの逸脱
経営計画の目的は、企業の持続可能性と成長を確保することです。しかし、売上高基準の計画では、本来注目すべきコスト管理や効率化といった課題が軽視される傾向があります。
社長の責務
経営者として、社長は会社を倒産の危機から守り、その存続を確保するために、現実的かつ持続可能な計画を立てる責務があります。以下のポイントが重要です:
利益から逆算するアプローチ
まず目標利益を設定し、それを実現するために必要な売上高やコスト構造を逆算する方法を採用します。
柔軟な計画立案
計画は固定的なものではなく、変化に対応できる柔軟性を持たせるべきです。状況の変化に応じて計画を見直し、必要な修正を迅速に行うことが重要です。
危機感を持った経営
会社は常に倒産のリスクを抱えているという認識を持ち、危機感を伴った経営姿勢を維持する必要があります。これにより、経営の持続性と成長の実現が可能となります。
おわりに
売上高基準の利益計画は、一見魅力的に思えるものの、実際には企業を危機に陥れる可能性があります。経営者はこの危険性を認識し、計画の本質を理解する必要があります。持続可能な成長を目指し、現実に即した経営計画を策定することが、企業の未来を切り拓く鍵となるでしょう。
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