目標とする売上高や粗利益を達成するためには、具体的な「販売計画」が欠かせません。この計画では、「何を」「どこで」「誰に」販売するかを明確にし、行動に落とし込む必要があります。
販売計画は、大きく分けて「商品ごとの販売計画」と「顧客ごとの販売計画」に分類されます。この計画の完成度が、目標達成に直結するといっても過言ではありません。そのためには、まず自社の事業形態を理解することが重要です。


事業形態を正しく理解する
企業が取り組む事業は、業種や規模、地域、歴史にかかわらず、2つの基本形態に分類されます。それが「見込型事業」と「受注型事業」です。
見込型事業
見込型事業は、予測に基づいて商品やサービスを市場に供給する形態です。このタイプの事業は、大きな利益を狙える一方で、大きな損失を被るリスクも伴います。そのため、不安定な性質を持つことが特徴です。
受注型事業
受注型事業は、顧客からの具体的な注文を受けて商品やサービスを提供する形態です。安定した収益を期待できますが、大きな利益を得ることは難しいと言えます。
販売戦略を立案する際には、まず自社がどちらの事業形態に当てはまるのかを把握することが欠かせません。この理解を基に、適切な計画を設計していきます。
事業発展のための2つの要素
事業を成長させるための基本的なアプローチは、次の2つに集約されます。
- 顧客数を増やす
現在の顧客基盤を拡大し、新たな市場や顧客層を取り込むことで売上を向上させます。 - 単価や粗利益の高い商品を販売する、または販売量を増やす
利益率の高い商品やサービスを優先的に提案する、もしくは販売量を増やすことで、収益性を高めます。
ただし、見込型事業と受注型事業では、これらのどちらを優先するか、またそのための戦略や戦術が異なります。事業形態に応じたアプローチを取ることが、効果的な販売計画を実現するポイントです。
結論
販売計画を立てる前に、自社の事業形態を理解し、それに応じた戦略を明確にすることが必要不可欠です。そして、顧客数の拡大と利益率の向上という2つの軸をベースに、事業の発展を目指しましょう。これが、目標達成への確実な道筋となります。
■販売計画なくして目標達成なしと考えよ
利益計画(目標損益計算書)に示された目標売上高、粗利益を達成するためには、「何を」「どこに」「誰が」売るかを計画するのが、販売計画です。
販売計画は、大別すると「商品別(商品群)販売計画」と「お客様別販売計画」に分けられます。
目標が達成できるかどうかは、この販売計画の出来・不出来がモノをいうのです。そのときにまず事業形態を考えなければなりません。
■あなたの会社の事業形態を知る
事業は、商社であっても、メーカーであっても小売りでも問屋でも、地方でも都会でも、大規模でも小規模でも、新しくても老舗でも、扱う商品の種類が異なっても、お客様の傾向が違っても、周囲の事情が相違しても、たった2つの形態しかありません。
それは、
- 見込事業か
- 受注事業か
のどちらかなのです。
見込事業……大儲けと大損が背中合わせで不安定なのが特徴の事業
受注事業……儲からないが安定しているのが特徴の事業
どちらの形態かで、その販売戦略は根本的に違います。
販売計画を立てる前に、自分の事業の特質をまずつかんでください。
そして、どんな事業もその発展は、次の2つの大きな要素でしか成し遂げられません。
要素①現在よりも、お客様の数を増やす
要素②売価・粗利益の多い商品を売るか、量を多く売ること
ただし、見込事業と受注事業とでは、この2つのうちどちらを優先するか、また、その戦略(方向性)、戦術(方法)をどうするかが、おのずと違ってきます。
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