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欲望に従えば、憂いは根を張る


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📖 引用原文(日本語訳)

この世において執著のもとであるこのうずく愛欲のなすがままである人は、もろもろの憂いが増大する。
雨が降ったあとにはビーラナ草がはびこるように。
— 『ダンマパダ』第二四章「愛執」第三三五偈


🧩 逐語訳

この世において、欲望の根(=執著)を断たずに、うずく愛欲のままに流される人は、あらゆる心配や苦しみを次々と増やしていく。
それはちょうど、雨が降った後にビーラナ草が勢いよく生い茂るようなものだ。


📝 用語解説

  • 執著のもと(愛欲):感覚的な快楽や物への欲求を意味し、仏教では苦しみの根源とされる「渇愛」にあたる。
  • なすがままである人:自制せずに欲望に流される者のこと。
  • もろもろの憂い:心の苦しみ、不安、後悔、怒り、嫉妬、焦りなど多様な精神的煩悩。
  • ビーラナ草:インドの雑草で繁殖力が非常に強く、象徴的に“抑えきれぬ煩悩”を表す。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

愛欲に従って生きる者は、心にさまざまな苦しみを生み出す。その苦しみは、雨のあとに雑草(ビーラナ草)が一斉に伸びてくるように、次から次へと増え広がっていく。欲望に支配される生活は、見えないところで憂いの根を深く張り、やがて心の自由を奪う。


💡 解釈と現代的意義

この偈は、「欲望に任せること」が一見自由なように見えて、実は苦悩を育てる温床であることを示唆しています。
現代社会では、「やりたいことをやる」「欲しいものを手に入れる」ことが自己実現と見なされがちですが、そこに執着がある限り、得た瞬間から失う恐れや満たされない不満が生まれます。
本当の自由は、欲望を満たすことではなく、欲望に支配されない心を持つことによって得られるのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
目標設定の危うさ利益や評価、数字ばかりを目的にすると、それが満たされないとき憂い(不安・苛立ち)が増大する。
消耗と満たされなさ欲望のまま働き続けると、「もっと」「次は」と終わりが見えず、常に焦燥感に追われる。
自己管理の要自らの欲望を見つめ、制御する力(メンタルマネジメント)が、継続的な成果と平穏な心を支える。

🧭 心得まとめ

「欲に支配されれば、憂いが根を張る」

雨が降れば草が育つように、愛欲に従えば憂いが増す。
だからこそ、私たちは心の土壌に「静けさ」と「自律」を育てなければならない。
執着を断ち、欲望を見つめることが、ビジネスと人生の両面において「豊かさ」と「安らぎ」をもたらす鍵となる。

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