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■原文
アルジュナは言った。
「また、散策したり寝たり坐ったり食事をしたりする間、あなた一人の時、または他人が見ている時、
私がふざけてあなたに行った非礼を、計り知れぬあなたにお詫びする。不滅の方よ。」
(第11章 第42節)
■逐語訳(一文ずつ)
- また、散策したり寝たり坐ったり食事をしたりする間、
→ 日常の何気ない行動の中で、 - あなた一人の時、または他人が見ている時、
→ 二人きりの時も、公の場でも、 - 私がふざけてあなたに行った非礼を、
→ 冗談半分に取った軽率な言動や態度を、 - 計り知れぬあなたにお詫びする。不滅の方よ。
→ 本当は偉大で永遠の存在であるあなたに対し、心から謝罪します。
■用語解説
- ふざけて(プラハーサート):冗談や親しみから来る軽率な態度。
- 非礼(アパラーダ):失礼、礼を欠いた行為。
- 計り知れぬ(アプリメーヤム):測ることができない、無限の。
- 不滅の方(アチャヴャーヤ):時間や死を超越した永遠の存在。
■全体の現代語訳(まとめ)
散歩をしたり、眠ったり、座ったり、食事をしたりする日常の中で、
あなたと二人きりのときも、他人が見ているときも、
私はふざけて軽んじるような態度を取ってしまいました。
それが、真に偉大で不滅なるあなたに対しての非礼であったことに、今ようやく気づきました。
心よりお詫び申し上げます。
■解釈と現代的意義
この節は、日常の中にこそ敬意の有無が現れることを示しています。
アルジュナは、クリシュナとの友情のなかで気軽に振る舞っていた自分を省みて、
その言動がいかに軽率で、相手の本質を見落としていたかに気づいた瞬間を語ります。
親しい関係だからこそ起こりやすい、**「馴れ合いによる無礼」**への自省と、それに対する謝罪です。
■ビジネスにおける解釈と適用
- 日常の言動に、無意識の敬意欠如が潜む。
→ 雑談や私的交流でも、相手の立場や本質を見失わない態度を。 - 「慣れ」と「なれなれしさ」は違う。
→ 長い付き合いや親しさにかまけて、無礼が常態化しないよう注意する。 - 謝罪はタイミングと誠意が重要。
→ 相手の偉大さや価値に気づいたときは、素直に謝る勇気が信頼を築く。
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