■引用原文(日本語訳)
聖バガヴァットは告げた。
「この万物の群は繰り返し生成し、夜が来ると否応なしに帰滅する。昼が来ると再び生ずる。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第19節
■逐語訳
この無数の存在たちは(宇宙の)昼が来ると再び生まれ、
夜が来ると、必然的に根源(非顕現)へと戻っていく。
このサイクルは止むことなく繰り返される。
■用語解説
- 万物の群(ブータグラーマ):
生きとし生けるもの、すべての存在。人・自然・事象などの集合。 - 昼(カラパラ):
創造・活動・発現のサイクル。宇宙や生命が顕れる時間帯。 - 夜(プララヤ):
帰滅・沈静・非顕現のサイクル。すべてが根源に戻る時間。 - 否応なしに(アヴァシャハ):
避けられず、必然的に。生死や生成消滅の運命に抗えないということ。
■全体の現代語訳(まとめ)
すべての存在は、宇宙の周期の中で、
昼(活動の時間)において現れ、
夜(沈静の時間)には必然的に根源へと帰る。
この生成と帰滅のリズムは、休むことなく繰り返されている。
■解釈と現代的意義
この節は、世界が一定のリズムと周期性の中で
生起と消滅を繰り返していることを示しています。
何かが生まれては消えていく――それは偶然でも不条理でもなく、
宇宙の自然な運行に従った「必然」であるというメッセージです。
これを知れば、今ある成功や困難も「変化の一瞬」として
過度にとらわれずに受け入れることができます。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
製品や事業のライフサイクル | ヒット商品でも必ず衰退の時は来る。成長期・成熟期・衰退期のサイクルを前提とした戦略設計が必要。 |
感情の起伏管理 | 好調・不調に一喜一憂せず、状況を俯瞰して見る冷静さを持つことで、判断力が安定する。 |
新規事業開発 | 一つの事業が終わっても、新たな事業の萌芽が常に存在する。終わりは始まりのサインである。 |
■心得まとめ
「すべては繰り返す。栄枯盛衰のリズムを読み、調和して動け」
現れては消える、成功しては沈む――
それが自然のリズムであり、抵抗しても避けられない。
しかし、この周期性を理解し、リズムに乗って動く者は、
波に飲まれず、波を使って進むことができる。
ビジネスでも人生でも、真の智慧とは「周期と共に動く力」である。
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