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誇りを脱ぎ捨て、道に帰す者となれ


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📜引用原文(日本語訳)

第七一偈
大きな激流が極めて弱い葦の堤を壊すように、
慢心をすっかり断ち切ってしまった修行僧は、
こなたの岸を捨て去る。
蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。
—『ダンマパダ』第二章 第七一偈


🔍逐語訳と意図

  • 大きな激流:世の真理や無常の力。
  • 葦の堤:自己を偉いとする錯覚(=慢心)の防壁。
  • 慢心(マーナ):自己を高く見積もる煩悩。五蓋・五障・十結の一部。
  • こなたの岸:世俗、執着の世界、迷いの岸。
  • 脱皮する蛇:成長や転生を終え、古い執着を完全に脱ぎ去る象徴。

📚用語解説

用語意味と意義
慢心(マーナ)自分を他より優れていると感じる心のあり方。真の自己理解や成長を妨げる。
修行僧(比丘)五欲や慢心を捨て、真理の探究に生きる者。
蛇の脱皮古い自己(煩悩)を捨てて新たな次元に移行する象徴。
激流と葦の堤真理の力が、傲慢さ(脆弱な自己防衛)を破壊するイメージ。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

仏陀はここで、慢心――すなわち「自分は他より優れている」とする心の傲り――が、
いかに脆く、いかに煩悩の根であるかを指摘しています。

それを捨て去った修行僧は、
もはやこの世(こなたの岸)に執着せず、
自由と安らぎを得た存在となる。

脱皮した蛇のように、もう古い皮には戻らないのです。


🧠解釈と現代的意義

慢心とは「自分は理解している」「自分は正しい」と思い込む心のこと。
現代社会では「優秀さ」「成果」「学歴」「立場」によって、
知らず知らずのうちに慢心が育ちます。

しかし、慢心は、

  • 学びを止め、
  • 他者を見下し、
  • 内省を妨げ、
  • 組織や人間関係の停滞を招きます。

この偈は、「誇りを脱ぎ捨てた者」こそが
本当に自由で、成長し続けることができる存在であると教えてくれます。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
リーダーシップ「肩書きに頼らず、耳を傾けるリーダー」ほど、信頼され組織を動かす。
キャリア成長「もう学ぶことはない」と思った瞬間、成長は止まる。常に謙虚であることが次の扉を開く。
チーム運営他人のアイデアや批判に素直であるチームほど、強く進化する。慢心は組織の腐敗を招く。
新人教育「知っているつもり」を打ち破る指導が、未来を担う人材を育てる。

✅心得まとめ

「“誇り”にすがる者は、自らの成長を閉ざす。“謙虚”に生きる者だけが、次の岸を渡れる」

脱皮した蛇は、もはや古い皮を必要としない。
私たちもまた、
過去の成功や自尊にしがみつくのではなく、
それらを超えた地点から、新たな真理を生きねばならないのです。

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