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簿記における受取家賃の取り扱い

受取家賃は、不動産などの物件を他者に貸し出した際に得られる賃料収入を指します。

受取家賃は企業や個人の収益に該当し、通常「営業外収益として扱われます。不動産業を主な事業とする場合は、「営業収益」として計上することもあります。

目次

受取家賃の会計処理

受取家賃に関連する取引は、支払方法やタイミングによって異なる仕訳を行います。以下に主なケースを示します。

1. 現金で家賃を受け取った場合

受取家賃を現金で受け取った場合、その金額を「受取家賃」として記録します。

例:12月分の家賃80,000円を現金で受け取った場合

借方:現金     80,000円  
貸方:受取家賃   80,000円
借方貸方
現金80,000受取家賃80,000

2. 銀行振込で家賃を受け取った場合

銀行振込で家賃を受け取る場合は、「普通預金」勘定を使用します。

例:12月分の家賃100,000円を銀行振込で受け取った場合

借方:普通預金   100,000円  
貸方:受取家賃   100,000円
借方貸方
普通預金100,000受取家賃100,000

3. 前受家賃(前払い)を受け取った場合

家賃を前払いで受け取った場合、受取時点では「前受収益(負債)」として計上し、該当する期間に応じて収益へ振り替えます。

例:翌年度分の家賃1,200,000円を前払いで受け取った場合

受取時:

借方:現金    1,200,000円  
貸方:前受収益  1,200,000円
借方貸方
現金1,200,000前受収益1,200,000

収益計上時(1か月分100,000円を計上):

借方:前受収益   100,000円  
貸方:受取家賃   100,000円
借方貸方
前受収益100,000受取家賃100,000

4. 未収家賃(未払い)の場合

家賃の支払いが未収の状態でも、発生主義に基づいて収益を計上し、「未収収益(資産)」として記録します。

例:12月分の家賃80,000円が未払いの場合

未収家賃の計上:

借方:未収収益   80,000円  
貸方:受取家賃   80,000円
借方貸方
未収収益80,000受取家賃80,000

後日、支払いを受けた場合:

借方:普通預金   80,000円  
貸方:未収収益   80,000円
借方貸方
普通預金80,000未収収益80,000

消費税の取り扱い

家賃収入の消費税は、貸し出す物件の種類や用途によって異なります。

  • 課税対象
     事務所や店舗の賃貸料は、消費税の課税対象です。

例:事務所家賃100,000円(消費税10%込み)の場合

借方:普通預金   110,000円  
貸方:受取家賃   100,000円  
貸方:仮受消費税   10,000円
借方貸方
普通預金110,000受取家賃100,000
仮受消費税10,000
  • 非課税対象
     住宅用物件の家賃は、消費税が非課税です。

受取家賃の税務上の注意点

  1. 所得税または法人税への影響
  • 個人の場合、不動産所得として計上され、必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。
  • 法人の場合、営業外収益または営業収益として法人税計算に含まれます。
  1. 経費の正確な把握
  • 不動産の維持費や修繕費など、関連する経費を適切に計上して節税対策を講じます。
  1. 契約内容の確認
  • 消費税や支払条件について、契約書を元に処理を行います。

受取家賃の管理ポイント

  1. 満期日や未収金の管理
  • 家賃の支払状況を把握し、未収金が発生した場合は早めに対応します。
  1. 前受収益と収益の区別
  • 前受家賃と収益を明確に分けて管理することで、収益計上の過不足を防ぎます。
  1. 消費税の適切な処理
  • 課税対象と非課税対象を区別し、消費税申告でのミスを防ぎます。

まとめ

受取家賃は、貸付物件の用途や契約内容によって、会計処理が異なる場合があります。現金収入、未収家賃、前受家賃などの状況に応じた適切な仕訳を行い、税務上の処理や記録管理を徹底することが重要です。これにより、透明性の高い会計業務を実現し、不動産収益を効率的に管理することができます。

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