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成果達成指導⑦!制約条件を取り除いてやれ

制約条件を取り除く重要性について、具体的なエピソードを交えて語られています。

機械の遅延と不具合に直面した際、上司が制約条件を排除する役割を果たすべきだと主張されています。

このエピソードから、部下が仕事に積極的に取り組むためには、上司が制約条件を解決し、目標達成への意欲を示すことが不可欠であるという教訓が得られます。

また、部下が不満や問題を持つ場合、上司はその原因を自身の職務に求め、改善しようとする姿勢が求められます。

このようなアプローチを通じて、組織内でのコミュニケーションや仕事の進行が円滑になり、部下のモチベーションも向上することが示唆されています。

目次

制約条件を取り除いてやれ

S工業に調査に出向していたときのことである。たまたま新しい仕事を始めようとしていた。注文しておいた機械七台が、一カ月も遅れて入荷した。

やれやれというわけで、大急ぎで設置して作業を始めようとしたが、不具合な個所があって使えない。すぐさま機械をメーカーに返送して、手なおしを頼んだ。

製造部長にきいたところ、一週間に一台ずつ手なおしができてくる、というのだ。冗談じゃない。それでは手なおしに二カ月もかかる。

代金はときくと、納入と同時ということで支払ってしまったというのだ。こういうのを、殿様商売という。あまりのことに、筆者は製造部長に、つぎのような苦言を呈した。

「機械代金の支払いというものは、所定の位置にすえつけて、立会試運転をすませてのちに支払うものだ。納入時とは、品物が納入されたときではない。使用できる状態になったときだ。

しかし、払ってしまったものは仕方がないとして、手なおし品についての部長の処置は間違っている。ただでさえ遅れて入荷したものが、さらに手なおしで遅れるのだ。

それを、ノホホンと机に座って、〝一週間に一台手なおしができてくる〟といっている(部長は、強引に交渉して、二週間に一台というのを一週間に一台にしたので、もう自分の役目がすんだと思っていた)。

これでは、いくら部下に気合いをかけても働くわけがない。ちょうどいまは、他に特に重要な仕事はないらしい。あなたは、いますぐメーカーのところへとび、手なおし完了まで、つききりで督促するのだ。

毎日、先方の社長室にがんばっているのだ。もちろん、旅費交通費は先方もちである。

こうすれば、おそらく、あれくらいの手なおしは、一週間か一〇日で終わるはずである」

部長は、「また君にしかられた」といって、出張の用意を始めた。仕事には、このような担当者にはどうにもならない制約条件があったり、発生したりするものである。

得意先からスペックがこない、特殊材料が支給されない。スペースがたりない、絶対人員の不足、……。

目標を与えて、あとは任せる、やり方は問わない、といってみても、実戦の場には以上のような制約条件が常につきまとう。

それらのものまで任せる、という理由で放置されるようなことがあってはならない。

それらの制約条件を上司の力で、すみやかに取り除いてやることは、百万言にまさる督促なのだ。こうすれば、担当者は黙っていても働く。

くだらない人間関係にいくら気をつかっても、上司の職務それ自体に大きな誤りや怠慢があるならば、部下は一生懸命働こうとはしないものだ。

上司自らの目標達成の意欲と行動こそ、部下をふるいたたせるもとになるのである。

まとめ

このエッセイは、制約条件の重要性と、上司の役割が組織内でどれほど重要かを強調しています。筆者は、新しい機械の遅延と不具合に直面し、その問題を解決するために上司が行動するべきだと主張しています。

制約条件は仕事を進める上での障害となりますが、上司はその制約条件を取り除くために努力すべきであり、部下に対してはモチベーションを高める役割を果たすべきだと述べています。上司が制約条件を取り除くことで、部下はより効果的に仕事に取り組むことができます。

また、上司の目標達成への意欲と行動が、部下の働きへとつながると強調されています。最終的に、組織内での円滑なコミュニケーションと目標達成のためには、上司と部下の協力と連携が不可欠であることが示唆されています。

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