賢者に学び、愚者に我が身を映す
孔子は、人の成長とは、他人との関わりの中でこそ促されると説いた。
もし賢い人を見たら、「自分もあのようになりたい」と心から学ぼうとする気持ちを持つべきである。
逆に、よくない人を見た時には、「自分にも同じ欠点はないか」と内省し、自らの行動や心を正していく。
他人の姿は、批判や羨望の対象ではなく、常に「自分を映す鏡」として活用するもの。
この言葉には、自己修養の姿勢と、人間関係を通じて成長する知恵が込められている。
原文とふりがな付き引用
子(し)曰(いわ)く、賢(けん)を見(み)ては斉(ひと)しからんことを思(おも)い、
不賢(ふけん)を見ては、内(うち)に自(みずか)ら省(かえり)みるなり。
良き人を見れば手本とし、
そうでない人を見れば、我が身を直す機会とせよ。
注釈
- 賢(けん)を見ては斉しからんことを思う…賢者を見たら「自分もあの人のようになりたい」と目標にする。
- 不賢(ふけん)…徳や判断力に欠けた人。間違いや欠点が目につく人物。
- 内に自ら省みる(うちにみずからかえりみる)…そのような人物を見て「自分にも同じような面はないか」と反省し、内省する。
- 斉し(ひとし)…並ぶ、等しくなるという意。理想や目標を自分と重ねて努力する姿勢。
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