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真を真と見抜く者こそ、真理に至る


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第一章 第十二偈)

まことであるものを、まことであると知り、
まことではないものを、まことではないと見なす人は、
正しき思いにしたがって、
ついに真実に達する。
――『ダンマパダ』 第一章 第十二偈


🔍 逐語訳

  • 真実であるものを、正しく真実であると理解し、
  • 偽りであるものを、正しく偽りであると見抜く人は、
  • 正しい見解(正思)に従って歩み、
  • 最終的に真理(悟り・涅槃)に到達する。

📘 用語解説

用語解説
まことであるもの慈悲、戒律、無我、無常など、仏教が説く普遍的・根本的な真理。
まことではないもの欲望、名誉、財産、肉体の快楽など、一時的で誤解を生む執着対象。
正しき思い(正思・サンマーサンカッパ)八正道のひとつ。偏りや煩悩のない、正しい意図・思考のあり方。
真実に達する(サッチャ・パティヴェーダ)仏教における最終目的である「悟り(解脱)」に到達すること。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

真実を真実として見抜き、偽りを偽りとして見抜くことができる人――
そうした人は、心に正しい思考と価値観を持ち、人生の迷いを越えて、最終的には真理(悟り・心の平安)へと到達する。
仏教における「智慧」とは、まさにこの見極めの力であり、これはすべての修行の根本である。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、第十一偈の“否定形”に対する“肯定形”であり、「正しく見れば、正しい道に至る」と明言しています。
現代社会では、真実と虚偽、本質と表面、信頼と演出が混ざり合っています。
その中で、自分自身の価値観や眼差しを研ぎ澄まし、本当に大切なことを“見抜く力”を養うこと――
それが、自分らしく、幸福に、そして穏やかに生きるための道となります。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営判断長期的に価値あるもの(信頼、誠実、品質)を正しく評価し、流行や派手さに惑わされない意思決定。
採用と育成見た目や経歴だけでなく、「誠実さ」や「素直さ」など本質的な特質を見極める採用と育成。
顧客との関係性数字やパフォーマンスだけでなく、「共感」「信頼」といった目に見えない価値を重視した持続的関係の構築。
自己評価と成長他人の評価や比較ではなく、自分が本当に大切にしたい価値に基づいて、自分の道を進む意志を持つこと。

🪷 心得まとめ

「見るべきものを、正しく見る」
それが智慧の始まりであり、人生を誤らないための最も大切な力である。
外見や一時の利益ではなく、本当に価値あるものを見抜く眼――それが真理への道を照らす光となる。


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